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インテル、脳を模した自己学習型AIチップを開発 コードネームはLoihi
Loihiのイメージ(写真提供:インテル発表資料より)[写真拡大]
インテルのマイケル・メイベリー博士は、自己学習型の人工知能(AI)チップ「Loihi(ロイヒ)」を発表した。
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9月25日、インテルの公式ブログにて、自己学習型のAIチップ「Loihi」を発表した。これは、人間の脳を模したニューロン(神経単位)とシナプス(神経の伝達経路)から構成される。先月、ファーウェイが開発した深層学習に適したニューラルネットワークのAIチップとは異なるアーキテクチャーだ。AIの主流である深層学習ではなく、自己学習型のアーキテクチャーを採用した理由は、純粋に人間の脳を模した構造がAIに適していると考えたようだ。つまり、幼児が学習して成長するように、このチップも自己学習して賢くなるという。
●Loihiとは
現在のAIは、CPUやGPUで構成されるが、それとはまったく異なるアーキテクチャーの研究の一環としてLoihiは生まれた。Loihiテストチップには、脳のニューロンとシナプスを模したものを半導体で構成。外部のフィードバックにより自己学習し、トレーニングと推論をLoihiチップ上で完結する。MNISTと呼ぶ桁認識の問題を所定の精度で解くのに、他の典型的なスパイク・ニューラルネットと比較して、100万倍の効率であったいう。
公式ブログによれば、深層学習は大量のトレーニング用データを用意する必要があり、特定用途向きであるという。トレーニング用のデータが特定の状況を具体的に考慮してないと、一般化することは難しいといえる。例えば、人の心拍数は、運動量や個人によって異なるため、深層学習は正常値を知ることはできない。自己学習型のAIであれば、行動をトラッキングして、その正常な値を学習できる。
●「Loihi」の特長
これは、脳の働きを模したAIの研究用のチップであるのだろうか。脳の神経回路モデル(ニューロン、シナプス、スパイク、パルス)を半導体で実装して、わずかな消費電力で巨大な計算能力を発揮する脳のメカニズムを再現し、未来型の人工知能開発に活用される。
・完全に非同期のメッシュ構成のコアで、各ニューロンは他のニューロンと交信
・各コアはプログラミング可能なエンジンの役割を担う
・インテルの14ナノメートルの製造プロセスで製造
・13万ニューロンと1億3千万シナプスを持つ
●AIチップ(インテル、「Loihi」)のテクノロジー
現状の延長線上にないAI研究の試みであろうか。インテルのこの挑戦から得られる知見は、他のAI研究にも大きな刺激を与えるであろう。実際、現在の深層学習での主流である知見は、4年前の研究からである。
理研によれば、大脳のニューロン数は、数百億個である。他方、「Loihi」のニューロン数は、13万個である。そうすると、人間の脳を模すには5桁のひらきがあるのだろうか。
2018年の上半期に、Loihiテストチップは次世代のAIの推進に向け、主要な大学や研究機関と共有していくという。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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