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顧客満足経営のツボ7 〜お客さまの言葉を鵜呑みにしない〜
お客さまの声分析をVOC(VOICE OF CUSTOMER)と言います。しかし、お客さまはいつも本当のことを言ってくれるとは限りません。お客さまは思いついた言葉をそのまま言ってきます。企業が分析し易いようには言ってくれません。
【前回は】顧客満足経営のツボ6 〜マニュアルを超えたレジサービスでお客さまに感動を与える〜
●お客さまは本当のことを中々言ってくれません。
ある大型店舗でお客さまが来店して、こんなことをおっしゃいました。「5センチ大の丸い磁石がほしいが見つからない。」担当者が文房具売場を調べたところ、確かにその商品は品切れしていました。
担当者は丁寧にお詫びし、仕入れ先の在庫状況を確認する旨を申出ました。仕入れ先への確認後、その報告、該当商品お取り置きの提案をする時、お客さまに確認しました。「ところで、お客さま、この5センチ大の丸い磁石はどのようにお使いになるのでしょう?よろしければお教え下さい。」
するとお客さまは答えてくれました。「5歳の女の子がおり、ピアノを習っている、自宅での自主学習の時、音符の進行を教える道具として使用したい。」
それを聞いた担当者はおもちゃ売場に音符進行練習商品があることを思い出し、お客さまをおもちゃ売場にご案内しました。そのお客さまは、喜んでその商品を購入し、お帰り頂きました。
あるスーパーマーケットではお客さまからの投書に対し、店長が丁寧に回答する仕組みを運営しています。お客さまから「店舗と駐車場の間にある小道に横断歩道がなくて危険だ、横断歩道を設置してほしい。」という投書を頂きました。
店長はその投書に対し、「この小道は私道であるため横断歩道を設置することは出来ません。申し訳ございません」と回答しました。
そのやり取りを見たパートさんが店長へこんなことを言ってきました。「あのお客さまは横断歩道を設置してほしいのではなく、安全を確保してほしくて言ってきている。安全確保策は他にもいっぱいあるはずです。」この指摘を受けた店長は反省し、考えられる安全確保策を実施しました。後日、お客さまから丁寧なお褒めの言葉を頂きました。
●お客さまの言葉を鵜呑みにしないで、その理由、背景をお伺いする
お客さまはいつも正しいことを言ってくるとは限りません。最初に思いついた言葉を言ってくるはずです。その言葉が自分の真意を表しているかを考えずに言ってくるのです。
従って、企業側にとって大切なことは、お客さまの提案の言葉からその真意を探り出す行動を取らなくてはならないのです。お客さまが目の前にいる場合は、その理由、背景をお伺いします。残念ながら、目の前にお客さまがいない場合はパートさんを中心にしてその理由、背景を想像します。(記事:KMAきむらマーケティング&マネジメント研究所 木村博・記事一覧を見る)
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