BMW M5が9月に正式デビュー!初の4WD「M xDrive」と軽量化でニッサンGT-Rニスモを凌駕?

2017年8月24日 07:02

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新型のBMW M5(写真: BMWの発表資料より)

新型のBMW M5(写真: BMWの発表資料より)[写真拡大]

  • 新型「BMW M5」
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  • 新型「BMW M5」発表の様子
  • 新型「BMW M5」発表の様子

 BMW 5シリーズのハイパフォーマンスモデルであるM5が、正式に9月に発売されることが発表された。駆動方式が、現行モデルの2WD(FR)から4WDに変更される。また、ボンネットにはアルミニウム、ルーフには炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、いわゆるカーボンが採用されている。

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■BMW Mって何?

 BMWのMシリーズは、モータースポーツ専用車の開発を行っているBMW M GmbH(ビーエムダブリュー・エム)が手掛ける高性能スポーツモデルのことであったが、現在は、BMW本社が製造している。Mシリーズは、日産ニスモのような関係と言って良いのであろう。

 BMWは、かつてアルピナのようなチューナーが完成車からチューニングを施し、高性能化していた。世界中で好評を博して、BMWのレーシングカーを担当していた「BMW・M」が、BMWのバリエーションとして高性能版の「Mシリーズ」を手掛けるようになっていった。

 日本ではアルピナに匹敵する、BMWのラインの途中で車体を引き受け、作業するようになったチューナーとしては「アイディング」が唯一ではなかろうか? アイディングの5LV12エンジンは、30年ほど前でNA(自然吸気)で560馬力ほどであった。現在のMに十分に匹敵する高性能を誇っていた。

 アイディングの技術の素晴らしいところは、その独自のサスペンション・セッティングであろう。現在のMシリーズが採用しているサスペンションに大いに影響を与えたと見える。街乗りでは、小さな凸凹を吸収し、乗り心地が良く、とても強化したサスペンションとは思えなかった。スピードを上げるとロールやピッチングが抑えられ、次第に路面に吸い付くように感じられるのだった。ハンドルを切ると目の前のフロントウインドウから見える景色が、テレビ画面を見ているように、スムーズに移動していくのだ。現在のMシリーズに引き継がれているように感じてしまう。

■新型M5の気になる新技術

 M5の前モデルは、V型8気筒4.4リッターターボエンジンに7速AT、最高出力412kW(560HP)/5600-6000rpm、最大トルク680Nm/1500-5750rpmというスペック。車重は1,980kgあったが、0-100km/h(時速100kmに達するまでの時間)は、4.3秒とセダンとしては驚異的な加速力であった。

 駆動形式は、BMWがこだわっていたFRである。前後重量配分も理想的な50:50で、まさに究極のスポーツセダンであった。

 今回発売になる新型BMW M5は、V型8気筒4.4リッターターボエンジンに8速AT「8速ステップトロニック M」を組み合わせ、最高出力441kW(600HP)/5600-6700rpm、最大トルク750Nm/1800-5600rpmというスペック。さらに馬力をアップし、また0-100km/h加速は3.4秒まで上がっているという。ターボラグを極限まで縮めたツインスクロールターボであろう。ニッサン・GT-Rニスモの良きライバルだ。

 駆動形式は、ついにFRから4WDに変更となり、30年ほど前には「4WDは不要」と豪語していたBMWも、時代の流れには逆らえないと見える。その「M xDrive」という4WDシステムは、ベースとなる4WD、スポーツモード、2WDモードと3モードが用意され、FRとして走行することも可能であるところはBMWらしい。

 詳細は不明だが、FRを基本として4WDでスリップを抑え、コーナリングスピードを上げるシステムであろう。セッティングはMシリーズ共通なのであろうか?ニッサンGT-Rとほぼ同じ狙いのシステムであろう。プリウスのE-Fourなどは、FF基本として、スリップが生じたら4WDとするシステムで、セダンの安全性と燃費を良くする工夫となっている。BMW M はFRを基本とした、スポーツ走行の醍醐味を残している。

 最高速は250km/hに制限されているが、オプションの「M Driver’s Package」の装着すれば305km/hまで引き上げることもできる。

 車重は、前モデルと比べて100kg以上の軽量化を実現しているというから、ボンネットにはアルミニウム、ルーフには炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が採用されていることが大きいだろう。BMWは全車にカーボン技術を採用してきており、強度の必要のないところにはアルミ素材、強度部材にはカーボンを積極的に使用し始めている。おそらくは基本フレームにもカーボンを使用しているものと考えられる。日本では高張力鋼の採用が相次いでいる。近い将来は、日本の優れたカーボンやセラミック技術を採用して欲しいものだ。

 また、標準で採用されるホイールは19インチだが、オプションで20インチホイールも用意されている。ブレーキキャリパーはオプションのカーボンセラミックディスクで、標準から23kgの軽量化を可能にするという。

 モンスターセダンというべき新型BMW M5だが、その真髄はMチューニングである。サスペンションセッティングなどは、ノーマルとは一見区別のつかない乗り味になっていることを期待したい。スプリングを柔らかく、ダンパーで抑えるセッティングが最近のテクニックで、それは30年ほど前の日本のチューナー、「アイディング」のサスペンションに通じる所なのだ。古くからのスポーツセダンの一ファンとして期待したい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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