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米韓軍事演習、イエレンFRB議長講演 どうなる8月4週目のドル円為替
8月3週目、朝鮮半島問題はやや落ち着きを取り戻したものの、トランプ政権の混乱ぶりから市場は再びリスクオフとなり、ドル売りが進んだ。トランプ大統領の白人至上主義に関する発言は、ロシアゲート疑惑以上の問題として取り上げられている。特に経済界のトランプ政権離れが目立つようになり、警戒感は強まった。
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8月18日(すべて日本時間)は1ドル110円03円を上値として、ドルは急落していった。トラブル続きのトランプ政権に嫌気してのドル売りの流れだ。共和党の有力者であるコーカー上院議員も「トランプ大統領は自分の役割をよく吟味する必要がある」と苦言を呈した。22:40には1ドル108円60銭の下値をつけている。
23:00には8月ミシガン大消費者態度指数が発表され、こちらは事前予想の94.0に対して97.6と大幅に上回った。注目された1年期待インフレ率は2.6%と7月から変わらぬ状態である。この結果がドル買い材料となり、ややドルは持ち直し、日付の変わった19日0:10ごろには1ドル108円68銭まで戻した。
その後、Axiosよりバノン首席戦略官更迭の報道が流れると市場が一気にリスクオンとなった。バノン氏は極右思想で批判を受けており、今回の白人至上主義問題にも関係していたといわれる人物である。トランプ大統領としても危機的状況の打開策として苦渋の決断をしたのだろう。これによりトランプ政権の先行きに期待してドルが買われた。1:40には1ドル109円60銭まで急激にドルは戻している。買いが一巡すると再びドル売りの動きとなり、1ドル109円17銭でクローズした。
8月4週目は、米韓軍事演習からの地政学リスクの高まりに警戒が必要だ。8月25日にはカンザスシティ連銀のシンポジウムでイエレンFRB議長が講演を行う。年内の追加利上げの可能性が低下するようなコメントをすると、さらにドル安は進むだろう。経済指標は好調さを示しているが、トランプ政権のトラブルが鎮静化されない限り、ドルの上値は限定的である。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る)
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