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電子カルテ・PACSの市場予測、20年には2780億円に 16年比442億円増
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シード・プランニングは4日、電子カルテ・PACS(医療用画像管理システム)の市場規模動向調査結果を発表した。超高齢化社会に突入している日本では、中小規模病院が地域医療の中核を担う「地域完結型」医療への転換が求められている。地域包括ケアシステムのICT活用実現のためにも医療機関の情報共有の要として、電子カルテやPACSは今まで以上に大きな役割が期待されている。
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■電子カルテ・PACSの市場規模予測
電子カルテの市場規模は20年に2780億円と、16年比442億円増の119%と予測され、中小規模病院への導入が進むと見られている。検査機器から受信した画像データを管理するシステムであるPACSは20年に455億円と予測、16年比20億円減の96%。今後は「クラウドPACS」が伸長し、16年の925施設から20年には2500施設に拡大するという。
■病院向け電子カルテ市場動向
病院向け電子カルテ普及率は約38.9%と推定されている。規模別では「400床以上」の大規模病院での普及率が最も高く76.4%。中規模病院「100~399床」が稼働数2010件、普及率43.7%で最も件数が多い。今後納入数の伸びが期待されるのは中規模病院とされている。
■診療所向け電子カルテ市場動向
16年末の診療所向け電子カルテ普及率は約34.2%、市場規模は約138.9億円、年間納入数4400件と推定されている。16年は各ベンダーの納入数が前年比103~110%で、市場全体では前年比納入数6.3%増、納入金額4.6%増となった。
■病院向けPACS市場動向
16年の病院向けPACS市場はリプレース需要が大半で納入件数は1060件、金額ベース415億円規模と減少傾向にある。自社運用型システムは高機能化しているがリプレース需要しか見込めないことから価格は低廉化しているという。クラウドへの転換など新サービスによる市場拡大が期待されている。
■診療所向けPACS市場動向
16年の診療所・クリニック向けPACS市場はクラウドサービスの導入で、納入件数は伸長。新規件数が960件、金額60億円規模の市場を形成している。 クリニック向けPACS市場のクラウドサービスは、操作性の良いオールイン型、廉価な電子カルテ・アプリケーションを備えたパブリッククラウドサービス、遠隔読影サービスなどが拡がっている。 クラウド化の進展により市場は拡大基調にある。
■クラウドPACS市場動向
クラウドPACSは15年530施設から16年には925施設に導入が増加。現状、中小規模病院での利用が大半であるが、今後は大学系病院や地域の中核・大規模病院でも導入が予測される。「他施設との連携が容易」、「自前で保守管理をする手間を省ける」、「価格が安い」など様々なメリットがあることから導入が進展すると期待されている。
IT化の遅れが指摘される医療業界もようやく医療機関間のネットワーク化が進みつつある。これまで医療機器メーカーの担当者といえばハードウェアメーカーであったが、今後は業界を通じてクラウドなどソフトウェアに強いエンジニアの確保が求められる。伸びしろのある分野だけにITと医療の結びつきには今後も注目をしていきたい。
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