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ベテラン勢が活躍のテニス ベテランが不利は今は昔か
昨年は怪我に悩まされたが、今年は大きな活躍を見せているロジェー・フェデラー (c) 123rf[写真拡大]
■全盛期に近い活躍を見せるフェデラー
どの世界でも若手とベテランの活躍は大いに注目を浴びることがある。ぽっと出の若手が活躍をすれば「天才の出現!」ともてはやされる。一方ベテランが質の高いパフォーマンスを見せれば「全盛期を彷彿とさせる!」と報道される。
今テニス界はまさにベテランの時代と言っても過言ではない。一時期は「世代交代か?」とも言われていたが、今年の4大大会、男子では全豪をロジャー・フェデラー、全仏をラファエル・ナダルが制し、フェデラーはウィンブルドンでも決勝に残っている。女子でも、全豪はセリーナ・ウィリアムズが制し、姉のビーナス・ウィリアムズはウィンブルドンで決勝まで残った。
特にフェデラーは輝きを放っており、全盛期を彷彿とさせるような、とまではいかないまでも対戦相手を淡々と下しているように見える。フェデラーは調整という面で絶対的なうまさがあるように感じられ、ウィンブルドン開幕前は調整がうまくいっていないのではないかというマスコミをあしらうかのようなパフォーマンスを見せている。
ウィンブルドンを7度も制覇しているフェデラーにとって周囲のネガティブなコメントなど耳に入らないのだろう。「力は衰えたかもしれないがその時持っている力を100%近く出すことに関してはベテランの方がうまい!」と言わんばかりの活躍をしている。
■ベテランは不利ではないのか
テニスは長時間競技であり、走る量も多いという認識があるかもしれない。そのため「ベテランには不利だろう」と思われがちである。しかし、あるデータによるとテニスの走行距離は約5kmほどであると言われている。これはサッカーの半分くらいの走行距離ということになる。
仮に試合が長引きフルセットにもつれるような死闘になったとしてもせいぜい走行距離は10km程度のものだ。もちろん走る質や、ラケットでボールを打ちながら走るため、一概に体力の消耗度合いは走行距離だけでは測れない。しかし、ある程度の目安になることは間違いないだろう。
現在活躍しているベテラン選手は、いずれも長年にわたり活躍し続けてきた選手ということはある。それでも、6年連続で年間最終ランキング1位という最長記録を持つピート・サンプラスが最後に4大大会を制したのは31歳の年、世界ランキング1位通算377週という最長記録を持つシュテフィ・グラフの4大大会最後の優勝が30歳の年ということを考えれば、現在35歳のフェデラーやセリーナ・ウィリアムズ、37歳のビーナス・ウィリアムズ、31歳のナダルの活躍は特筆すべきものだろう。
調整方法やトレーニング方法など、さまざまな面においても技術的、理論的な進歩があり、ベテランが活躍しやすくなってきたともいえるかもしれない。今後も、世代交代の波が押し寄せるのか、このままベテラン勢の活躍がしばらく続くのかは、テニス界の一つの見どころとなるだろう。
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