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「働き方改革」ではたぶん絶対に必要なITリテラシーの高さ
このところ、何かと取りざたされる「働き方改革」について、最近いくつかセミナーを聞いたり、イベントに参加したりしています。
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そこでの印象は、「働き方改革」の捉え方は人によっていろいろ違いがあり、ある人は生産性向上の経済政策だといい、ある人はワークライフバランスを推進するための労働施策だといいますが、これらを全部含めて人事が取り組む中心的なテーマとなっていて、人事部門のあり方や人事施策の考え方はかなり大きな転換期に差し掛かっているということです。それともう一つ、どうも今のところは、「IT活用」ばかりに視線が集まっているのではないかということです。
ある展示会でのことですが、出展企業にはシステム会社が非常に多く、そのほとんどが何らかのニュアンスで「働き方改革」を語っています。
サービスの中身はリモートワークの支援であったり、事務処理の効率化であったり、採用や人事管理にAIを活用しようというものであったり、千差万別でなおかつ玉石混交という感じでもありましたが、「働き方改革」が、IT分野でビジネスチャンスになっている様子がうかがえます。
私は仕事上の立場で、「働き方改革」に関する話はいろいろな会社から聞きますが、システムを入れたからといって、急に生産性が上がったり残業時間が減ったりするほど単純なものではありません。
やはり、システムをどうやって使っていくかということが重要であり、システム会社の言いなりではなく自社の中での活用イメージがなければ、生産性向上にはなかなかつなげることができません。
ただ、そうやって運用が大事だとは言うものの、最近のいろいろなITサービスの進化には目を見張るものがあります。
生産性向上というのは、結局は社員一人一人の仕事ぶりの問題です。例えば今まで1時間かかっていた資料作成を、5分で終わるようにするというようなことです。
個人個人の仕事の進みが早くなったり、こなせる仕事量が増えたり、間違いが減ったりということなので、現場レベルの細かな効率化を考えなければなりませんが、そこではIT活用がとても重要な要素になります。
私が多くの会社を見ている中で、「働き方改革」が思うように進まない一因として、特に主導している人事部門や管理部門のITリテラシーの問題があります。
私自身、過去にシステム会社で開発エンジニアをしていた経験があるため、社内システムの整備や管理部門のIT活用に関する相談を受けることがときどきあります。
ITリテラシーの高さというのは、その業界や業種、年令によって結構違いがあり、やはり技術職や理系出身者、何か技術製品やIT系サービスを扱っているような会社、若い社員が多いような会社の方が一般的に高く、逆に昔ながらのベタな営業職や技術要素が少ない商材の会社、年齢層が高い会社は総じて低い傾向があります。
さらに、私が直接やり取りすることが多い、経営者や人事業務に関わっている人たちというのは、あまり業界に関わらず、「ITはあまり得意でない」「ITはよくわからない」という人が、意外に多いと感じています。今の「働き方改革」で、中心的な役割を担う立場の人たちです。
私は「働き方改革」に限らず、これから先の仕事の仕方を考えていったとき、特に経営者や人事部をはじめとする管理部門の人たちは、高いITリテラシーを持つことが必須だと思っています。
システムを入れたからといって問題解決するものでないことは確かですが、一方で、ITインフラの整備がなければ、生産性向上や仕事効率化といった取り組みの入口にすら立てないということもまた事実です。さらに、IT活用の先頭に立たなければならない人たちのリテラシーが低いようでは、物事がなかなかその先へは進みません。
「ITだけでは生産性は上がらない」という一方で、「ITがなければ生産性は上がらない」ということも事実です。
「ITが苦手」では、もうとっくに通用しない時代になっています。
※この記事は「会社と社員を円満につなげる人事の話」からの転載となります。元記事はこちら。
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