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希望やニーズは立場によってそれぞれ 働き方改革の実態を調査
安倍政権は「1億総活躍」「女性活躍」「働き方改革」など労働改革を強く打ち出し、これまでの働き方を刷新、見直そうとしている。企業・国・自治体は働き方改革とどう向き合っているのか。
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データ調査会社「インテージリサーチ」は、自主企画調査「働き方に関するアンケート」と題して、全国の20~69歳の被雇用者(会社員・公務員ら雇用されて働いている人)の男女5662人を対象にインターネットで働き方の実態や意識を調査した。
正社員、非正規などすべての雇用者に「働き方改革」という言葉の認知を聞いたところ、「聞いたことがある」のは58.6%、「聞いたことがない」のは41.4%だった。
性別で見ると、男性よりも女性の方が「聞いたことがない」と回答している割合が高く、年代別では男女ともに20歳代の認知率が最も低かった。ニュース報道などで「働き方改革」という言葉を聞いたことがあっても、自分の勤務先とはあまり関係と考えている人が実に多いようだ。
「働き方改革」に必要と考えることは、性別や雇用形態によって人それぞれ違うことも明らかになった。正規社員・職員の男性は「残業削減」、女性は「有給取得」「始業・終業の時間が柔軟に決められる」「同一労働・同一賃金になる」などが、「働き方改革」に主に必要であると回答。非正規社員・職員の場合は、当然「同一労働・同一賃金」といった平等に活躍できる環境の整備を期待する声が大きかった。
ちなみに「有給休暇」は、平均付与日数15.4日に対して平均取得日数は9.7日。平均取得率は67.4%だが、まったく取得できていない人が約1割、取得状況の差が大きいのが現状だ。
企業には組織の文化があり、「残業するのは当たり前」「昔からのこのやり方だから」……変化を嫌う企業も存在する。しかし、働き方改革を積極的に行っている企業は離職率の低下や業績が伸びている事実もある。時代は日々変化するように、経営の在り方も変化していく必要があるのではないだろうか。今後、政府の呼びかけに企業がどう対応していくのか見つめていきたい。(記事:久保圭大郎・記事一覧を見る)
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