アクセル Research Memo(1):遊技機器市場向けに加え、新市場開拓により持続的成長を目指す

2017年6月12日 08:58

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記事提供元:フィスコ


*08:58JST アクセル Research Memo(1):遊技機器市場向けに加え、新市場開拓により持続的成長を目指す
■要約

アクセル<6730>は、遊技機器(パチンコ、パチスロ)向けグラフィックスLSIで市場シェア45%以上を握るファブレス半導体メーカー。無借金経営で自己資本比率は90%超と強固な財務体質を誇る。

1. 2017年3月期は遊技機器市場の縮小により、減収減益に
2017年3月期の業績は、売上高が前期比10.8%減の8,012百万円、営業利益が同41.9%減の141百万円と2ケタ減収減益決算となった。業界団体の自主規制導入の影響により、遊技機器の年間販売台数(同社推計)が前期の298万台から236万台と2割減となり、同社のグラフィックスLSIの販売数量も同108万個から87万個に減少したことが主因だ。

2. 2018年3月期は次世代製品の研究開発費がピーク、増収見込みも減益続く
2018年3月期の業績は、売上高が前期比23.5%増の9,900百万円、営業利益が同85.9%減の20百万円となる見通し。遊技機器の販売台数は約1割減の210万台と引き続き縮小トレンドが続くが、主要顧客の需要見込みなどを勘案してグラフィックスLSIの販売数量を前期比1万個増の88万個を見込んだほか、今期はLSI搭載の基板販売が立ち上がることやメモリモジュールの販売拡大が見込まれること等から、売上高は3期ぶりの増収に転じる見込み。ただ、次世代グラフィックスLSIの開発がピークを迎えることで、研究開発費が前期比546百万円増加することが減益要因となる。なお、次世代グラフィックスLSIについては2019年3月期の後半以降に本格出荷が予定されている。

3. 2019年3月期以降は遊技機器市場での売上拡大に加えて、その他市場への展開により持続的成長を目指す
2019年3月期以降については、遊技機器市場の動向が不透明なため予測は困難だが、グラフィックスLSIの市場シェア拡大や基板販売比率の上昇、その他周辺LSIの販売拡大により市場全体が横這いだったとしても、売上高は拡大していく見通しとなっている。また、遊技機器市場以外で新たな収益柱の育成に取り組んでいく方針で、今まで蓄積してきた要素技術(画像・音声圧縮、画像拡大、超解像、暗号化技術等)を使ったソフトウェアIPやミドルウェア製品を、ゲームや車載、Web広告、セキュリティ市場へ展開していく考えだ。新たな市場の開拓では業務提携やM&Aなども積極的に活用していくことで、早期の収益化を目指していく。

4. 配当政策は配当性向50%を基準
同社は配当政策について、配当性向50%を基準に減配となる場合は利益剰余金の状況を勘案した上で、従前の配当水準を考慮しながら決定することを基本方針としている。2018年3月期の1株当たり配当金は前期比横ばいの5.0円(配当性向124.4%)を予定している。

■Key Points
・遊技機器向けグラフィックスLSIでトップシェア
・次世代グラフィックスLSI開発のピークを迎えるため、2018年3月期は増収減益に
・遊技機器1台当たり販売単価のアップと新規事業の育成により、持続的成長目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《SF》

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