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ニコン、リストラの結果71億円の赤字決算を発表
ニコンが2017年3月期決算を発表。その内容はリストラによる特損で71億円の赤字というもの。18年3月期の業績をV字回復させることができるのか、ニコン経営陣の手腕が問われることとなりそうだ。[写真拡大]
日本を代表するカメラメーカー・ニコン<7731>が2017年3月期決算を発表。その内容は、人員整理を含むリストラ等にて特別損失を613億円計上の結果、最終利益(当期純利益)が71億円の赤字というものであった。
名門カメラメーカーとして知られているニコンであるが、現在の同社はカメラ事業のみならず半導体製造装置事業も手掛けている。前期にリストラの対象となったのは半導体製造装置事業。同事業において棚卸資産の廃棄や評価減リスクの最小化を図るとともに、国内で希望退職を募集し1,143人が退職している。
またカメラ事業においても、近年のスマートフォン普及によりデジカメ市場の低迷が継続しており、製品戦略を見直すとともに、プラミアムコンパクトデジタルカメラ「DLシリーズ」の中止を決定。
17年3月期を体質改善の期と位置付け、様々な施策を実行している。
リストラ後のニコンの2018年3月の予想決算は、売上高7,000億円、税前利益47,000億円、当期純利益34,000億円となっている。18年3月期から国際会計基準(IFRS)導入により、前期までと単純比較はできないものの、当期純利益は16年3月期182億円、17年3月期▲71億円と推移しており、18年3月期の業績はV字回復の計画となっている。
18年3月期はデジカメ市場の縮小によりカメラ事業は減益を見込んでいる一方で、半導体製造装置の赤字の減少及び液晶パネル製造装置の販売台数大幅増を見込んでおり、半導体製造装置及び液晶パネル製造装置を含む精機事業が大幅に増益の計画となっている。
ニコンと言えば戦前から続く日本の名門カメラメーカーであるが、半導体製造装置や液晶パネル製造装置も手掛ける等、既にカメラ事業単体の企業ではない。しかしながらスマートフォンの普及を背景とするデジカメ市場の縮小、半導体製造装置事業の不振によるリストラと、大きな逆風を同社は受けている。デジカメ市場に再拡大の兆しのない中、半導体製造装置事業のリストラ効果により、18年3月期の業績をV字回復させることができるのか、ニコン経営陣の手腕が問われることとなりそうだ。(編集担当:久保田雄城)
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