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さらに加速する美都の悪行、『あなたのことはそれほど』3話レビュー
波瑠演じる「美都」にはネットなどで賛否を呼んでいるが、それでも彼女の人生を伝えようと奮闘している(c)TBS[写真拡大]
■ネットでも話題騒然の不倫劇『あなたのことはそれほど』
2017年4月期から放送されているドラマ『あなたのことはそれほど』だが、2017年5月2日までに3話が放送された。波瑠演じる美都は過去の不倫劇の中でも共感しづらいほどの悪役。そのこともあり、ネットでは波瑠の演技に対して賛否のあるものとなっている。
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■『あなそれ』の第3話レビュー
有島光軌(鈴木伸之)と不倫旅行にやってきていた美都(波瑠)だが、光軌は、妻・麗華(仲里依紗)の子供が生まれた連絡と共に立ち去る。1人取り残された美都だが、それでも光軌のことを嫌いになることはできなかった。
美都が1人で旅行先から自宅に帰ろうとしたき、突然電話にて母親の悦子(麻生祐未)が倒れた旨を聞く。悦子は著しい視力低下の影響で階段を踏み外し、骨折してしまう。美都が病院に駆け付けたときはすでに退院しており、涼太(東出昌大)が自宅に迎え入れていた。その流れで悦子は美都たちの家に住むことになる。
美都は涼太に不倫のことを隠し続けていることで良心の呵責に潰されそうだった。そこで、涼太の友人をホームパーティーに招いて少なからず罪滅ぼしをしようと考える。日取りが決まり料理の練習をする美都だが、光軌から先日の温泉旅行の埋め合わせをしたいと連絡がやってくる。
一度は光軌からの連絡を無視した美都だったが、涼太の友人が来る日に再度ランチの誘いがやってくる。美都は昼間だけなら大丈夫と踏んで光軌と会うが、結局はホテルで身体を重ねることになる。
■美都と涼太の確執はより深くなる
すっかり光軌との時間を楽しんだ美都だが、すでに料理する時間が無くなっていた。美都は急いでデパートに向かい、出来合いの料理を買い込んで自宅に帰る。家にはすでに悦子がおり、彼女に手伝ってもらいながら何とかディナーを用意することに成功する。
美都が料理を用意したことに満足する涼太だったが、眠り込む彼女の連絡ツールを覗き見てしまう。そこには涼太のことを「柴犬」と表現した文章があり、彼の中で愛情が憎悪に代わっていく。
■見事なクズっぷりを表現しているのは波瑠の実力か
『あなたのことはそれほど』では、より美都というキャラクターのクズっぷりに拍車が掛かる形となった。そのくずっぷりは、美都の友人である飯田(大政絢)から「動物と一緒」と形容されるほどである。自分が動物と思っていながら、夫の涼太を「柴犬」と表現する辺りもシニカルな作りになっていると感じる。
美都のキャラクター性は一貫しており、悪いこととわかっていながら自分の欲望に抗えないスタンスを崩していない。その一貫性があるからこそ、物語が成立しているように思う。キャラクターの行動理念がカチッと定まっているからこそ、ネットでも賛否を呼ぶ形になっているのだろう。これは波瑠の演技力によって支えられている部分も大きいように思う。
今後とも波瑠の演技力が目が離せない『あなたのことはそれほど』は、TBSにて火曜10時から放送中である。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る)
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