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象徴・涙・架空の生き物・・ 東京五輪の公式マスコットはどう決まる?
東京都庁に掲げられていた東京五輪のロゴ。(c) 123rf[写真拡大]
2020年東京五輪・パラリンピック公式マスコットについて、大会組織委員は24日に行われた選考検討会議において、来月中旬に応募要項・選考方法を決定することとした。最終候補3、4点を公表後、全国の小学校での投票で決めるという方向性を明らかにしており、1クラス一票で得票の最も多い候補作が選ばれる見込みであるという。
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会議後、「(東京2020マスコットから)新たなマスコットの歴史が始まることを期待しています」(生駒副座長)との声も上がっており、来年夏をめどにデザインの決定に向け、議論を進めていく。
■記憶に残る歴代マスコット
様々な動物や生き物などをモチーフとして1972年のミュンヘン大会から始まった公式マスコットは、その後のオリンピック・パラリンピックにおいて多くの話題を呼び、各大会の象徴として人々の記憶に残っている。
歴史上、最も知れ渡ったのが、1984年ロサンゼルス大会の『イーグルサム』(モチーフは鷲)ではないだろうか。「商業五輪」と呼ばれ、オリンピックの転機となった大会のマスコットとして、アメリカ国内のみならず日本でも多くのCMやグッズにも使用された。大会開催前年よりアニメでも放映され、世界中の子供たちから人気を博した。
1980年モスクワ大会のマスコット『ミーシャ』(子どもの熊)は大会の内容を印象付ける存在として捉えられているのではないだろうか。多くの西側諸国がボイコット・不参加により東側諸国のみで行われたこの大会、閉会式のメインスタンドには人文字で描かれた巨大なミーシャの目から涙が零れ落ちた。大会終了の寂しさゆえの涙とも伝えられたが、ボイコットに揺れた平和の祭典での切ない一コマに、様々な感情と共にミーシャの表情が世界中のスポーツファンの脳裏に刻まれた。
■多くの期待とともに
日本で行われた1998年冬季・長野大会では『スノーレッツ』(長野に生息するフクロウ)が採用されたように地元の象徴となる動物がモチーフとなる例が多い。また、妖精(1996年アトランタ・イジー)や神(2004年アテネ・アテナとフィボス)といった、架空の存在がマスコットとして描かれる等、想像を超えたキャラクターもあり、まさに各大会の顔として愛され続けている。
オリンピック・パラリンピックという世界最大のスポーツイベントのマスコットは競技の記憶と共に、間違いなく後世にまで語り継がれていく。だからこそ、一般公募の中の候補作から、多くの小学生により決定される見込みであるとされている東京大会マスコットは、個性豊かなキャラクターが大勢の遊び心溢れる子供たちによって選ばれることを期待したい。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る)
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