とどまりを知らない相撲人気!中卒新弟子が激増

2017年4月20日 08:22

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■相撲人気が止まらない
 大相撲3月場所、稀勢の里が怪我を押して14日目、千秋楽を戦い抜き照ノ富士に対して逆転優勝を決めたのは記憶に新しい。その効果が色々なところで現れている。稀勢の里関連のグッズは爆発的に売れ、完売するといううれしい悲鳴をあげている。5月場所のチケットもわずか90分で完売と全盛期の相撲人気を彷彿とさせるような勢いを見せている。

 稀勢の里が優勝してからマスコミでも大々的に相撲人気を取り上げるようになったが、実際はもっと前から起こっていた。昨年からチケットは取れなくなっていたし、力士を応援する女子「スー女」という言葉も出てきた。その背景としてあげるのがやはり単純な相撲の「ぶつかり合い」に興奮してしまうのだ。

 一時期八百長問題や、賭博問題で本場所が開催されないという事態にまで発展した。相撲人気は低迷し、このままでは国技が危ういというところまで落ちた。しかし、力士一人一人の取り組みに胸を打たれ相撲に魅了されている人は増えた。

■満を持して
 そんな状況まで盛り上がった中での稀勢の里の横綱昇進は、いい意味で火に油を注いだ形となった。奉納土俵入りでも優勝パレードでも相撲を取るわけではないのに力士見たさに人が大勢押しかけるようになった。

 そのような力士達に最も心を動かされたのは中卒の新弟子ではないだろうか。若干15歳という歳で「角界に入る」という覚悟を決めているのだ。3月場所は「職業場所」とも呼ばれるが、今年は昨年より10人も多い56人が新弟子となった。さらにその中で中卒は33人と、昨年より13人も多い。

 若貴ブームに沸いた時は151人もの新弟子入門を記録したこともあった。しかし厳しく、安定しない角界、さらには人気の低迷もあり2012年の3月は34人しか入門しなかった。それを考えると上出来な数字だ。中卒の角界入りに関しても、今では昔以上に高卒や大卒の力士が増えているのでこの増加は異様とも言える。

■教育の徹底が必要
 相撲人気が出て新弟子が増えるのは相撲界にとって嬉しいことだろう。しかし人が増えるということはやましいことを考える人が増えるということにも直結する。入門者が増えて教育が行き届かずまた不祥事が起きてしまうなどということがないように徹底した教育が必要となる。

 相撲の良さは何も土俵上の上だけではないということを力士一人一人が肝に銘じなければいけない。ただでさえ大きくて目立つ力士。さらに髷に浴衣といった姿は嫌でも目に入るものだ。ファンが望むことはただ一つ、いい方向でマスコミを賑わせてほしいということだけだ。

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