オイシックス、食に特化したシェアリングエコノミー事業に新規参入

2017年4月17日 07:50

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 オイシックスは、フードシェアリングエコノミー事業に新規参入するため、現役東大生が起業した「ふらりーと」を完全子会社化した。オイシックスが手がける日本初のフードテックファンド第2号案件となる。「ふらりーと」とは、完全子会社化について4月13日に合意した。

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 オイシックスは、安心安全な高付加価値食品をインターネットで販売する事業を主力にしており、「より多くの人が、良い食生活を楽しめる」社会の実現を目指している。2016年10月には、企業理念実現のために食関連の企業との事業、資本提携を推進する「フードテックファンド」部門を立ち上げている。

 近年、カーシェア、駐車場、民泊、衣料品、会議室などをシェアするサービス「シェアリングエコノミー」が盛んになってきていることに着目。食のシェアリングエコノミーは、中国で時価総額200億円規模、1日5万食を提供するサービスもあるそうだ。

 また、スマートフォンが普及し、所有者型から共有型へと消費者のニーズも変化指定区中でC to C市場、消費者個人同士の売買は、社会に浸透しており、インターネットオークションやフリーマーケットの利用者数は、3,900万人以上と言われている。

 オイシックスでは、こうした社会ニーズの高まりに対応すべく、フードテック関係のスタートアップ企業に対して投資を行い、事業化、実現化を目指す。

 「ふらりーと」は、食に特化した家事代行業で、子育てや共働きで多忙な家庭を対象に、栄養士や管理栄養士が体調や気分に合わせた料理を自宅で作り置きするサービスを展開してきた。しかし、このサービスだけでは、市場規模の拡大は困難として、現在は事業を閉鎖している。

 オイシックスに完全子会社化された後の事業詳細については現在発表されていないが、主婦などの空き時間を活かした家庭料理のシェアリングサービス「ごふぁん」を提供予定だ。2017年5月末にベータ版サービスを開始し、2017年秋には本格展開を目指す。

 政府の「すべての女性が輝く社会づくり」の推進で女性の社会進出が進み、「生涯現役社会」の実現に向けた高齢者の就労が促進されるにつれ、家事代行業のニーズはますます高まりを見せることが予測される。オイシックスとふらりーとは、本事業で、1,000億円企業を目指す。(記事:服部小夜子・記事一覧を見る

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