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増加の一途をたどる太陽光関連業者の倒産、受難の時代はまだ続く
太陽光関連業者の倒産が急増している。2012年7月に導入された「再生可能エネルギー固定価格買取制度」(FIT)で一時はミニバブル状態となった太陽光発電だが、その後、買取価格が4年連続で引き下げられたことにより、ブームは沈静化した。現在では、参入企業の撤退や倒産も目立つようになっている。
そこで、帝国データバンクでは、2006年1月から2016年12月までに 201 社発生した太陽光関連企業の倒産(法的整理のみ、負債1000万円以上)について、「倒産件数・負債総額の推移」、「倒産態様・資本金・負債規模別」、「地域別・都道府県別」、「負債額上位」を調査、分析した。
2006年1月から2016年12月までの太陽光関連業者の「倒産件数と負債総額の推移」をみると、2014年が21件、2015年が36件、2016年が67件と3年連続で増加している。前年比の増減率も、2014年が23.5%増、2015年が 71.4%増、2016年は86.1%増とペースが加速している。また、負債総額も2014 年が44億8200万円、2015年 91億2700万円、2016年が333億2800万円と増加傾向が続いている。特に、2016年は日本ロジテック協同組合(東京都、2016 年4月破産、負債約162億8200万円)が、全体の水準を大きく押し上げた。
2006年1月から2016年12月までの太陽光関連業者の倒産件数は、201件に達した。「倒産態様別」をみると、「破産」が190件、全体の94.5%を占め、次いで「民事再生法」が8件、構成比4.0%、「特別清算」が3件、同1.5%となっている。
「資本金別」をみると、「1000万-5000万円未満」が104件、構成比51.7%に達した。次いで、「100万-1000万円未満」が75件、同37.3%。両者の合計は179件、全体の89.0%を占めている。
「地域別」では、「関東」が78件、構成比38.8%でトップ。第2位は「中部」の35件、同17.4%で、第3位は「九州」の31件、同15.4%。以下、「近畿」の26件、同12.9%、「東北」の18件、同9.0%となっている。過去、「九州」は継続的に倒産が発生してきたが、近年は「近畿」や「東北」の倒産も増加しており、全体の倒産件数を押し上げる結果となっている。
次いで、「神奈川県」と「大阪府」がともに17件、同8.5%、「宮城県」と「愛知県」がともに15件、同 7.5%、「埼玉県」と「福岡県」がともに13件、同6.5%、「静岡県」が11件、同5.5%と続く。
2016年の太陽光関連業者の倒産は67件と、2015年の36件から約9割増となった。2012年7月の「再生可能エネルギー固定価格買取制度」(FIT)導入、その後の4年連続の買取価格引き下げで、太陽光関連業者を取り巻く環境は大きく変化している。倒産企業の内訳をみると、「破産」が全体の9割超を占め、「負債規模」が5億円未満の企業の割合も9割近くとなっている。太陽光関連業者は、業態としては訪問販売、エコキュートなどのオール電化住宅に関連する総合サービス業、太陽光発電システムの設置工事業、そのほかメガソーラー運営やメーカーなど多岐にわたるが、いずれも太陽光関連の市場拡大期にビジネス・チャンスを見出し、参入した中小・零細企業が多く、彼らが市場からの退出を迫られるケースが増えている。買取価格は、住宅・事業用ともに2017年度も5年連続で引き下げられる見通しだ。太陽光関連業者にとって、受難の時代が続くだろうとしている。(編集担当:慶尾六郎)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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