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政府が介護保険料の負担見直しへ、大企業社員は負担増
介護保険制度は、介護が必要な高齢者を社会全体で支えるための仕組みだ。税金や、高齢者と40歳から64歳までそれぞれの介護保険料により支えられている。少子高齢化が進み介護サービスを利用する人が増え続ける一方でそれを支える現役世代は減っているなど、課題も多い。[写真拡大]
政府が介護保険料の見直しを来年8月分から段階的に実施する検討に入った。来年度の社会保障費の自然増を6400億円から5000億円程度まで圧縮する目安を掲げており、今回の見直しで一部財源を捻出する方針。これにより政府の支出は最終的に年約1600億円抑制できるという。見直しには介護保険法改正が必要となるため、政府は来年の通常国会に改正案を提出して早期成立をめざす予定だ。
介護保険料は65歳以上が第1号被保険者として支払うものと、40~64歳の現役世代が第2号被保険者として支払うものとがある。第1号被保険者の介護保険料は市町村ごとに決められており、第2号被保険者の介護保険料は厚生労働省が全国の平均額を算出して1人あたりの負担率を設定する「人数割」を採用している。今回見直されるのはこの第2号被保険者の支払額。現在の人数割を平均収入に応じて決める「総報酬割」に変えるというのが財務省と厚生労働省の見直し案だ。
総報酬制が採用されると高収入の大企業の会社員らが入る健康保険組合の約7割、公務員らの共済組合のほぼすべてで負担が増えることになる。一方で、中小企業の会社員らが多く加入する協会けんぽは減る見込みだ。保険料の急増を避けるため2018年度までは納める保険料総額の半分に総報酬割を適用、19年度以降に全面実施する。大企業に勤める会社員らの保険料は徐々に上がり、2019年4月分は現在から月額平均700円以上の負担増となる。中小企業の会社員らは月平均で240円ほど安くなる。
この総報酬割の導入について経団連は「利用者負担や給付を適正化すべきだ」と反対している。「介護保険」である以上、世代間の公平性を保つ必要もある。そのため財務・厚労省は介護保険のサービスを利用する65歳以上にも所得に応じた負担を求める方針だ。利用者については、現在65歳以上の自己負担は1割か2割。これを現役並みの所得がある高齢者は3割負担に引き上げる予定だ。基準は年金収入で年間383万円以上。こちらは18年度中にも実施したい考えだが、高齢者の反発を招くのは必至だろう。(編集担当:久保田雄城)
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