新興市場見通し:さえないマザーズは決算控え仕込み時とも、JR九州はBB活況

2016年10月15日 15:09

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記事提供元:フィスコ


*15:09JST 新興市場見通し:さえないマザーズは決算控え仕込み時とも、JR九州はBB活況
先週の新興市場はまちまちだったが、マザーズ銘柄は利益確定売りに押される場面が目立った。ソフトバンクグループ<9984>やファーストリテイリング<9983>など主力株の一角で材料を手掛かりとした物色が活発となり、マザーズ銘柄は足元の値動きの悪さも嫌気され資金が向かいづらかった。マザーズ売買代金は1日600-700億円台と低調に推移している。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.0%であったのに対して、マザーズ指数は-1.5%、日経ジャスダック平均は+0.3%だった。マザーズ指数は10月7日から5営業日続落している。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で0.5%高、サイバーダイン<7779>が同2.4%高となる一方、そーせいグループ<4565>は同3.6%安となった。売買代金上位ではブランジスタ<6176>などが軟調で、シルバーエッグ・テクノロジー<3961>、バリューデザイン<3960>、チェンジ<3962>といった直近IPO銘柄がいずれも同10%超下落した。また、ストリーム<3071>が一部報道を受けて急落しマザーズ下落率トップとなった。反面、リファインバース<6531>、マイネット<3928>、串カツ田中<3547>などが大きく上昇した。マイネットはクルーズ<2138>からゲーム事業を取得すると発表している。ジャスダック主力では、クルーズが同10.0%安、平田機工<6258>が同6.0%安となったが、セリア<2782>が同3.3%高、エン・ジャパン<4849>が同2.9%高と堅調だった。売買代金上位ではオリコン<4800>がマグネシウム電池関連として買われた一方、ベクター<2656>は利益確定売りに押された。また、スパンクリートコーポレーション<5277>や日本色材工業研究所<4920>がジャスダック上昇率上位に並んだ。反面、文教堂グループHD<9978>は大きく売られた。IPOでは、10月12日にKHネオケム<4189>が東証1部へ新規上場したが、大型案件のため公開価格を下回る初値スタートとなった。

今週の新興市場では、決算発表シーズンを控えて指数はもみ合いが続くとみられる。各種報道や材料を手掛かりとした個別物色が中心の展開となろうが、足元では資金の逃げ足の速さも目立つため注意したい。決算発表を見据え、業績期待の高い銘柄の押し目買いも一考か。

今週は10月17日にメタップス<6172>、20日にモバイルファクトリー<3912>などが決算発表を予定している。モバイルファクトリーは位置情報ゲーム「ステーションメモリーズ!」の好調で業績期待が高い。メタップスはフィンテック関連等のテーマ性で関心を集めているが、業績面でも黒字化が達成できるか注目される。また、19日から21日の「ITpro EXPO 2016」、26日から28日の「Japan IT Week 秋 2016」とIT関連のイベント開催が続くため、関連銘柄の動向を注視しておきたい。

IPO関連では、10月17日にマーキュリアインベストメント<7190>が東証2部へ、21日にユーザベース<3966>がマザーズへ新規上場する。マーキュリアインベストメントは落ち着いた初値形成か。ユーザベースは来期以降の業績拡大期待が広がるかが焦点となりそうだ。また、九州旅客鉄道<9142>(JR九州)は14日までブックビルディング期間だったが、個人投資家で4-5倍程度の需要を集め活況だったようだ。なお、先週はフィル・カンパニー<3267>(11月18日、マザーズ)の新規上場が発表されている。《FA》

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