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欠点も多いが笑って許せるルノー・カングーの魅力とは?
ルノーカングー[写真拡大]
欧州車には、ロングセラーモデルが存在する。売れなくてモデルチェンジ出来ないのではなくて、評価が高いので変える必要がないと言う発想だ。中でも熱烈な支持を受けるモデルが「ルノー カングー」だ。このフランス製の商用バンがなぜか日本では大人気で、ルノージャポンの主力商品となっている。
■もともとは フランス郵便局御用達の商用車
ルノー・カングーというクルマは、日本でこそ5人乗りワゴンとして認知されているが、もともとが郵便局や宅配業者が利用する商用車だから、コストを限界まで切り詰めて贅沢装備など設定されていない。日本でいえば「ハイゼットカーゴ」や「キャリーバン」だ。あちこちにポケットやドリンクホルダーなどを付けて、多彩な収納と称して自慢する国産ワゴンとは根本的に考え方が異なる。
小物なら段ボール箱でも置いて、そこに入れときゃいいだろうと言う労働者の発想だ。それで十分ことたりて、あちこちに分散させておくより便利なのは、商用車ドライバーの常識なのだ。
■欠点だらけのカングー
インテリアの質感も高くはなく、ダッシュボードやトリム類などはデザインこそシャレているが、プラスチック感丸出し。それどころか、至るところが鉄板むき出しで被覆もされていないなど、商用車ベースであることを思い知らされる。
ボディやサスペンションの耐久性を最優先させた商用車構造のため、乗用車に比べると騒音・振動面は不利。ギャップや段差を踏んだとき、ボディ全体が共振するようなバン的な質感の低さがある。
このサイズの国産車ならまず3列シートにするところだが、2列シートの5人乗り。後ろにはユーロ規格のパレットを詰めるスペースが広がる。パレットごと荷物を積むのだから、跳ね上げ式のゲートではフォークリフトが使えない。したがって両開き式のラゲッジドアになっている。
これだけで国産の商用車とは異なるオシャレ感が味わえる。オシャレと言えばそのスタイリングはオシャレと言っていいのかどうかわからないが、愛嬌タップリでフランス車らしい車と言えなくもない。
これらすべてがなぜか許せてしまうのがカングーの魅力というか魔力である。ただ、フランス人がどう見ているのかが弱冠気になる。日本人は何故、うちの国の郵便局のバンがすきなんだろう?と。日本の軽トラックがパリで大人気というような見え方だろうか?
それもまたいいのかも知れない。自動車メーカーのお仕着せの使い勝手や利用方法など意味は無く、使い方はユーザーが勝手に決めていいのだ。
※この記事はAuto World Newsから提供を受けて配信しています。
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