大日本印刷、IoTのセキュリティでオランダのジェムアルト社と協業

2016年8月10日 16:15

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大日本印刷(DNP)がオランダのジェムアルト(Gemalto N.V.)と共同開発するセキュア(安全)なIoTプラットフォームの概要を示す図。(大日本印刷の発表資料より)

大日本印刷(DNP)がオランダのジェムアルト(Gemalto N.V.)と共同開発するセキュア(安全)なIoTプラットフォームの概要を示す図。(大日本印刷の発表資料より)[写真拡大]

 大日本印刷(DNP)は10日、デジタルセキュリティソリューションを手掛けるオランダのジェムアルト(Gemalto N.V.)と、IoT(モノのインターネット)のセキュリティ分野で協業すると発表した。ICカード技術をIoT向けに活用したセキュア(安全)なIoTプラットフォームを開発し、実証実験、標準化活動、営業活動などを共同で推進していくという。

 大日本印刷によると、今回開発するプラットフォームによって、IoT用のデバイスと通信のセキュリティを向上させ、より安心・安全なIoTのエコシステムを実現することが可能になるという。

 具体的には、インターネットで標準的に利用されているプロトコルであるTLSの相互認証に用いる暗号鍵やデジタル証明書を、耐タンパ性の高いSAM(Secure Application Module)に格納することで、不正アクセスや改ざんを防止する。暗号鍵やデジタル証明書、アプリケーション等をセキュアに配信するサービスも行うという。

 IoT用のデバイスは、今後普及が進み、膨大な数のデバイスが様々な場所で設置・利用されるようになることが見込まれている。一方、デバイス自身やデバイスとサーバー間の通信のセキュリティが低ければ、悪意ある第三者によってデータの盗難や改ざんなどの被害を受ける恐れがあり、セキュリティ対策の強化が求められている。

 大日本印刷は、今回の提携を通じてジェムアルトと開発した製品やサービスを、高いセキュリティが要求される金融、通信、重要インフラ、製造、医療などの分野を中心に提供し、2020年度に約35億円の売上を見込むとしている。

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