中国版ストリートビュー「Baidu Total View」では景色が多数編集されているという話

2016年6月21日 11:13

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 百度の「Baidu Total View」はGoogleストリートビューのようにWebブラウザ上で各地の風景を見ることができるサービスだが、ここで閲覧できる画像内で「建造物が丸ごと消去される」といった修正が多数見つかっているそうだ(WIRED.co.uk)。

 Baidu Total ViewはGoogleストリートビューと同じ手法で製作されており、ストリートビュー同様人物の顔やナンバープレートといった個人が特定できる情報は削除されるが、これ以外にも一部の建築物や看板などが削除されていることが確認できるという。

 しかし削除方法はお粗末で、たとえばとある発電所の冷却塔が周辺の景色から丸ごと消去されたケースでは、500~1000メートル離れた場所からの写真では削除されているにも関わらず、角を曲がった場所からの景色では消去されずにそのままという状況となっている。

 WIREDの記事には修正されているTotal Viewの景色と実際に撮影した写真の比較が掲載されているが、ほかにも政府関連施設や刑務所が丸ごと消去されたり、建物に掲げられている消防署の看板の文字が消されたりしているという。しかし煙突は消去されているのにそこから出る煙はそのままだったり、発電所の看板の文字は消されているのに地図上には発電所名が明記されていたりと、どれも詰めの甘い作業となっている。

 Baidu Total Viewではプライバシーを侵害したり公安に関わるものは非公開となるが、それにしても政府主導なのか企業機密を守るためなのか、誰のどんな目的で修正がなされているかは不明とのこと。なお、百度は消去された建造物に関する質問に回答していないとのことだ。

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