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スター・トレックのファンムービー制作者、クリンゴン語は著作権で保護されないと主張
headless 曰く、 スター・トレックのファンムービーが著作権を侵害しているとしてCBS StudiosとParamount Picturesが制作者を訴えている裁判で、世界設定や名前、登場人物の特徴、言語などは著作権保護の対象にならないと主張する原告側が棄却の申し立てを行ったそうだ(Axanar Productionsのブログ記事、棄却申立の文書: PDF、TorrentFreak)。
Axanar ProductionsはKickstarterで資金を調達し、スター・トレックの世界をドキュメンタリー風に描いたショートムービー「Star Trek: Prelude to Axanar」を制作。完成度の高さで注目を集めた。これに続いて長編の「Star Trek: Axanar」を制作すべく、Axanar ProductionsではKickstarterとIndiegogoで計100万ドル以上の資金を調達し、今年1月から撮影に入る予定だった。しかし、著作権で保護されたさまざまなスター・トレックの要素を無断で使用した無許可の派生作品であると主張するCBSとParamountが、損害賠償や作品の公開中止・制作中止を求める訴えを提起していた。
Axanar側では原告の主張するスター・トレックの要素は著作権保護の対象にならないと指摘。著作権で保護されるにしても、原告側は700本以上のテレビ作品や12本の映画作品などの中で具体的にどの部分を侵害しているのかを示していないと主張する。さらに、長編の「Star Trek: Axanar」については、まだ存在しない作品であり、この作品が著作権を侵害しているとするのは時期尚早だとも主張している。
Axanarが著作権保護の対象にならないとしている要素としては、具体的なコスチュームのデザインではない「金色のシャツ」といった特徴や、制服に付ける三角形のメダルのような一般的な形状、人名や地名、宇宙船の名称などの単語、「beaming up」(転送装置で転送すること)のような短いフレーズ、バルカン星人の特徴であるとがった耳やフェイザー銃といった既存の作品などに登場するもの、クリンゴン語、SFアクションアドベンチャーらしい雰囲気やテーマなどが挙げられている。
クリンゴン語については、それ自体が概念またはシステムであり、作者によるシステムの表現は著作権で保護されるものの、第三者によるシステムの使用を妨げるものではないとしている。Axanarは作品内でクリンゴン語を使用しているが、原告側が著作権を持つ特定の表現を使用しているわけではないため、著作権を侵害したとする根拠が不十分だと主張している。
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