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Microsoftが2007年に取得したスライダーのデザイン特許、12月のバカバカしい特許に選ばれる
headless 曰く、 EFFは毎月最もバカバカしい特許に贈る「Stupid Patent of the Month」の12月分として、Microsoftが2007年に取得していたデザイン特許を選定した(EFF — Deeplinks Blog、Ars Technica、The Register、WinBetaの記事)。
このデザイン特許「D554,140」はスライダーの両端に「-」ボタンと「+」ボタンを配したもので、Microsoft Officeなど多くのアプリでズームスライダーとして使われているUI要素だ。Microsoftは「User Interface for a Portion of a Display Screen」として2006年にデザイン特許を申請。2007年に承認されている。
Microsoftでは12月、WordPerfect X7やQuattoro Pro X7といったCorelのオフィスアプリケーションがリボンUIなどの関連特許を侵害しているとしてCorelを訴えているのだが、この訴状(PDF)にD554,140が含まれていたことから存在がクローズアップされたようだ。
デザイン特許は新規性があり、機能と無関係で、装飾的な部分に関してのみ認められるが、しばしばオリジナルとはいえないものや、装飾の結果ではないもの、バカバカしいものについても認められることがあるという。しかし、米国の現在の法律では、製品のごく一部でもデザイン特許の侵害が認められた場合、それにより付加価値や利益がどの程度増加したかにかかわらず、利益の全額を権利者に支払う必要がある。1つの製品で複数のデザイン特許を侵害していた場合、賠償額は利益の数倍になる可能性もあるとのこと。
EFFでは、MicrosoftがスライダーUIを独占する意図があったとは思えないのでバカバカしい特許であるとしたうえで、デザイン特許による損害の算定方法は正当な競争を妨げる強力なツールになる可能性があると述べている。
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