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北里大学、炎症性腸疾患と大腸がんの発症メカニズムを解明
北里大学の研究グループは9日、マウスを用いた解析で、大腸で慢性的な炎症が大腸がんに進展する仕組みを明らかにしたと発表した。
潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患は、長期にわたって下痢や血便が続き、多くの場合よくなったり悪くなったりを繰り返しながら症状が一生涯にわたって続く。潰瘍性大腸炎は発がんのリスクも高い。
これらの疾患の原因はよくわかっていなかったが、研究グループはリンパ球の1つであるT細胞でRap1という分子を働かなくすると、大腸炎と大腸がんが発症することを突き止めた。T細胞からRap1がなくなることにより、活性化したT細胞が大腸の組織に移動しやすくなり、炎症や腫瘍の形成を誘導していることが分かった。
今回の成果は、炎症性腸疾患の原因を分子のレベルで解明したもの。さらに解析を進めることで、炎症が進行して腫瘍形成に至る詳細な仕組みが明らかになると考えられる。また、今回作製したマウスは、新たな治療薬の探索など炎症性腸疾患の治療法や予防法の開発につながることが期待されるという。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る)
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