日立、無人搬送車が倉庫内配置図からリアルタイムに位置認識する技術を開発

2015年8月4日 13:28

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今回開発した技術を搭載した棚搬送型の無人搬送車(日立製作所の発表資料より)

今回開発した技術を搭載した棚搬送型の無人搬送車(日立製作所の発表資料より)[写真拡大]

  • 棚の搬送と配置図の様子 (日立製作所の発表資料より)

 日立製作所は4日、物流倉庫などで商品を棚ごと搬送する無人搬送車向けに、搬送による商品棚の移動を検知し、無人搬送車に登録された商品棚の配置図をリアルタイムに更新しながら自車の位置を認識する技術を開発したと発表した。

 今回開発した技術は、無人搬送車に事前に登録する配置図を、倉庫の壁や柱などの「動かない領域」と、商品棚などの「動く領域」に分けて管理する。この配置図と距離センサーで計測した柱や商品棚の位置情報を照合することで自車の位置を認識した後、「動く領域」にある商品棚の配置のみを更新。これにより、本来動くはずのない壁や柱の位置を誤って変更してしまうことなく、配置図の精度を高く保ち続けることが可能となる。

 また、 一般的な無人搬送車の利用環境である70m四方の建屋内で、1m四方の商品棚が搬送により配置変更を繰り返す状況をコンピュータ上で模擬し、今回開発した技術を搭載した無人搬送車が、自車の位置を認識しながら走行するシミュレーションを実施した。その結果、平均誤差10mmで自車の位置を認識できることを確認した。

 さらに、既存の「Racrew」に搭載して、床面マーカーを敷設していない小規模な実証スペースにて商品棚の搬送を繰り返す実験を行った。その結果、搬送によって変化する商品棚の配置をリアルタイムに配置図に反映させながら自車の位置を認識し、自律走行と商品棚の搬送作業が可能であることを確認した。

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