為替週間見通し:ドル上げ渋りか、想定レンジの上限接近で一段高は期待薄

2015年7月18日 15:35

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記事提供元:フィスコ


*15:35JST 為替週間見通し:ドル上げ渋りか、想定レンジの上限接近で一段高は期待薄
■ドルは124円23銭まで上昇、9月利上げ観測高まる

先週のドル・円は上昇し、一時124円23銭まで買われた。15日-16日に開かれたイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言で、イエレンFRB議長は「年内の利上げが適切」、「利上げに一段と近づいた」と述べたことがドル高の要因。9月の利上げ開始や年内2度の利上げ実施への思惑が強まり、ドル買いが活発となった。17日に発表された6月の米住宅着工件数や6月消費者物価指数は前月実績を上回っており、ドル相場を下支えする一因となった。先週の取引レンジは121円93銭-124円23銭となった。

■ドル上げ渋りか、想定レンジの上限接近で一段高は期待薄

今週のドル・円は上げ渋る展開となりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言で年内利上げの方向性が示されたことから、ドルが短期間で大きく下げる状況ではないとみられている。ユーロ安・ドル高が続いていることもドル・円相場の下支え要因となる。
ただし、多くの市場関係者が想定しているドル・円のレンジ120円-125円の上限に接近しつつあることや、日本銀行の黒田東彦総裁が「口先介入」した水準(124円台後半)に近づいており、ドル高進行に対する警戒感が浮上している。ドル上昇につながる具体的な材料が提供されない場合、1ドル=124円台でリスク選好的なドル買いがさらに強まる可能性は低いと予想される。

【日本・6月貿易収支】(23日)

5月実績は2172億円の赤字だが、6月は458億円程度の貿易黒字が予想されている。貿易黒字となるのは今年3月以来、3カ月ぶり。前年同月比で貿易収支は大幅に改善することが確実視されており、円買い材料となりうる。6月貿易収支が予想通りの場合、米利上げ期待を背景としたドル買いはやや一服する可能性がある。

【米企業業績】(20日-24日)

4-6月期の米企業業績が好調ならば、米株高・ドル高の流れとなる可能性がある。アップル、ヤフー、ゼネラル・モーターズ(GM)、キャタピラー、スターバックス、アマゾン・ドット・コム、AT&Tなどの主要企業の業績発表が予定されており、多くの企業で市場予想を上回った場合はドル相場に対する支援材料となる。

予想レンジ:122円50銭−125円50銭《FA》

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