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無人搬送機関連技術での特許総合力トップは村田機械
無人搬送機とは、製造業などでの作業ラインの効率化や重量物搬送の安全化などを目的として、工場や倉庫、物流拠点などで広く利用されている。その無人搬送機関連技術での特許総合力トップ3は、1位村田機械、2位ダイフク、3位AMAZON TECHNOLOGIESとなった。
パテント・リザルトでは、日本に出願された無人搬送機関連技術について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて参入企業に関する調査結果をまとめた。この調査では無人搬送機関連技術の特許を集計し、各個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見た評価を行った。
それによると、「総合力ランキング」では、1位村田機械、2位ダイフク、3位AMAZON TECHNOLOGIESとなった。総合力1位の村田機械は半導体ウェハー移送用の天井搬送車に関して注目度の高い特許が多くなっているという。また、同社の注目度の高い特許には米・BROOKS AUTOMATIONが出願し、現在は名義が村田機械に変わっているものも見られるとしている。
2位のダイフクは床面有軌道式の無人搬送車における衝突防止に関する特許に注目度が高い特許が多い。総合力3位には上位2社と比べて少ない件数ながら米・AMAZON TECHNOLOGIESが入っている。同社は搬送機そのものより搬送機を含めた物流管理システムに関して注目度の高い特許が多くなっているとしている。
総合力3位のAMAZON TECHNOLOGIESはAMAZON.COMの関連会社で、現在同社が保有する当該分野の特許はほとんどがKIVA SYSTEMSによる出願。KIVA SYSTEMSは2012年、AMAZON.COMにより買収されている。当該分野では一部の特許がAMAZON TECHNOLOGIES名義で出願されているが、原出願日(権利発生の起点となる日付)は買収前であり、また発明者がKIVA SYSTEMS名義の出願と同じであることから、現状ではAMAZON TECHNOLOGIESが持つ当該分野の技術は全てKIVA SYSTEMSの時代に発明されたものであることが分かるという。
次にAMAZON TECHNOLOGIES名義の特許を権利化していく際に、どういった企業が障害となっていたか、また同社の特許がどのような企業の障害となっているかについて、引用情報を用いて調査した。AMAZON TECHNOLOGIESの先行企業(引用数ランキング)を見ると、AMAZON TECHNOLOGIESにとって最も障害となってきた企業は村田機械であることが分かる。また、米国金融機関名義の特許が2件見られるが、これらは元の出願がシンフォニアテクノロジーであり、この2件を合わせるとシンフォニアテクノロジーも村田機械と同じく先行企業特許数が4件となり、AMAZON TECHNOLOGIESにとって村田機械と同様に障害となっていた企業であることが分かるという。
一方の追随企業(被引用数ランキング)は件数が少なく全体で2件のみ。これら2件のうち、ミサワホームによる特許は搬送「システム」、ダイフクによる特許は搬送「装置」に関するものという特徴がある。AMAZON TECHNOLOGIESによる特許は出願が比較的新しいことから、現在のところ引用された件数が少ないですが、今後同分野におけるシステム関連特許が増加すると、同社の特許が引用されるケースも増加していくものと予想している。(編集担当:慶尾六郎)
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