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【株式市場・今週の振返り】166円下落でもギリシャ・ショックから回復の週
6月29日はギリシャ・ショックで後場に613円安の20093円まで下落。そこから20600円台タッチまで3日で508円のリカバリーは世界の殊勲賞。[写真拡大]
29日の日経平均は大幅に3日続落。前週末26日のNYダウは56ドル高で3日ぶり反発。しかしNASDAQは3日続落しS&P500もマイナス。ナイキの好決算を好感して高く始まったが、ギリシャ債務問題の27日の「最終協議」前の様子見ムードで上げ幅を次第に圧縮して終えた。CME先物清算値は20855円。
その27日の最終協議は返済期限延長でまとまりかけていたが、「ギリシャが7月5日に国民投票実施」と報じられると債権団が態度を硬化させ決裂。ECB緊急理事会はギリシャの銀行への追加支援を見送り、銀行は29日から休業。アテネの株式市場も29日から閉鎖され、30日のデフォルト(債務不履行)の可能性が非常に高まった。ドル円は26日のNY時間は124円に迫っていたが、29日朝方は122円台前半、ユーロは133円後半まで急落し、嵐が来る直前のムード。
悪いことは重なるもので、取引開始前に発表された5月の鉱工業生産指数速報値は市場予測の-0.7%を大きく下回る-2.2%。2ヵ月ぶりのマイナスで経済産業省は基調判断を「生産は一進一退」に下方修正した。日経平均は400.18円安の20305円の大幅安で始まる。序盤は先物主導で20200円を割り込み午前9時3分に下げ幅が500円超の20190円まで下落し、前週の週間騰落+531円の97%が消失。TOPIXは1620まで下げた。
20200円台の小康状態が続いた後、10時台に20300円台にタッチ。中国人民銀行が27日に追加利下げしたため上海総合指数はプラスで始まった。ドル円が123円台まで円安方向に戻し、「週明けの欧米市場を確かめたい」ので動きにくいのか前場残り時間は20300円前後の水準で安定的に推移し、前引けは少し機首を上げて368円安の20337円だった。
後場は下げ幅をややひろげて再開。午後1時台まではおおむね20200円台の安定した小動きで底堅かったが、2時台になってドル円が再び122円台半ばへ円高進行すると日経平均も崩れ、2時22分に20100円も割り込んで613円安の20093円まで下落する。午前中は高かった上海市場も大崩れ。終盤は20200円付近まで戻すのがやっとで、大引け間際はこの後の欧米市場の下落を懸念したかのような手じまい売りでズルズル下落。結局なんとか20100円台を維持して終値は596円安の20109円。TOPIXも-42で日経平均とともに今年最大の下落幅を記録した。
新規IPOが1件。石油精製・石油化学プラント用の内部装置、水処理装置などの製造・販売を行うナガオカ<6239>がジャスダックに新規上場。公開価格1600円に対して10時16分、40.6%高い2250円の初値がついた。新規上場日がこんな日に当たっためぐりあわせの悪さを見事に克服した。6月の新規IPOは10件とも「初値>公開価格」で10連勝。次回新規IPOは来週7月7日になる。
日経平均終値は596.20円安の20109.95円、TOPIX終値は-42.21の1624.82。売買高は25億株、売買代金は2兆6573億円。値上がり銘柄数は56、値下がり銘柄数は1821。33業種全てが下落し、下落幅が小さいのは石油・石炭、鉱業、電気・ガス、陸運、小売、空運、繊維など為替の円高でメリットが出るか、内需主体の業種が並ぶ。下落幅が大きいのはガラス・土石、保険、その他製品、銀行、ゴム製品、不動産、証券などだった。
30日の日経平均は4日ぶりに反発。ギリシャ政府が6月末期限のIMFへの返済を行わないと表明し、デフォルトという「最悪のシナリオ」がイヤでも想定され容赦なき世界同時株安。週明けのヨーロッパ市場は軒並み安。NYダウは下げ一方でほぼ安値引けの350ドル安で2月以来の低水準。NASDAQは5000割れ。朝方のドル円は122円台後半だったが、ユーロはなぜか買い戻されユーロ円は137円台後半。CME先物清算値は大台割れを起こすことなく20050円だった。
ギリシャのチプラス首相が神妙に退陣の可能性まで示唆したせいか、それとも前日で織り込み済みなのか、日経平均は先物に連れ高して64円高の20174円で始まる。TOPIXもプラス。序盤は20100円台のプラス圏でアップダウンが続く。9時44分に8円高の20118円まで下げてTOPIXはマイナスにタッチするが、日経平均は粘ってプラスを維持。厚生労働省が5月の毎月勤労統計速報値を発表し、現金給与総額は+0.6%増、実質賃金は-0.1%。自律反発もあるが「ギリシャ発の世界同時株安を東京で止める」という意志も感じさせる。10時37分には20222円まで上昇。その後は徐々に下落するもののマイナスにはならず、前引けは23円高の20133円だった。
後場は高く再開し直後に20200円にタッチ。20200円をはさんで20160~20240円の範囲でのアップダウンが続く。為替のドル円は122円台前半で変わらないが、ギリシャ同様に気にされている上海市場が午後プラスに転じていた。上半期末でもあり「御三家」のファーストリテイリング<9983>などに月末特有の「ドレッシング買い」も入った模様。終盤にひと伸びし日経平均は125円高の20235円で終え、TOPIXも反発して終えた。
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