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原点回帰のロードスターが販売好調なのは当然のことだろう
この4代目にあたるロードスターは、実は原点回帰である。先代(3代目)のモデルが、大きくなって、しかも太ってしまい(?)、ユーザーからそっぽを向かれたことに対する反省から生まれていると筆者は考える。[写真拡大]
1990年か91年の夏、筆者は休暇でハワイのカイルアという町にいた。ビーチ沿いを歩いていると、真っ赤なコンパクトな2シーターライトウェイトオープンスポーツカーが通り過ぎていった。リアのエンブレムには、MAZDA MIZTAと記されていた。当時はクルマを移動の道具として見ていなかった筆者だが、その小ささ、デザインのシンプルさ、きびきびとした走りに魅了された。そして何よりもクルマそのものが発するある種のオーラともいうべきもの圧倒されたのだ。そして帰国してすぐにそのクルマ、つまりユーノスロードスターを手に入れた。
マツダ<7261>は、5月21日に発売した新型『マツダ ロードスター』の累計受注台数が発売1ヶ月の時点で5,042台となり、多くのユーザーから高い評価を受けている発表した。
89年に発売された初代「ユーノスロードスター」から数えて4世代目となる新型「ロードスター」は、マツダが取り組んでいる「SKYACTIV(スカイアクティブ)技術」とデザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」を採用した新世代商品の第6弾となるモデルだ。人がクルマを楽しむ感覚の深化に徹底的に取り組み、「人馬一体」の楽しさを追求した、後輪駆動(FR)の2シーターライトウェイトオープンスポーツカーである。
トランスミッションは74%のユーザーがマニュアル・トランスミッション(手動変速機)を選択している。ロードスターファンにとっては当然だと思えるのだが、通常のクルマからすると信じられないくらい高い数字だろう。ロードスターの素晴らしさは、マニュアル・トランスミッションでこそ、100%発揮できるものなのだ、と断言してしまおう。
ユーザーの年齢層は40代を中心に、20代から60代以上まで世代を超えて幅広いとマツダは発表しているが、それもまたこのクルマの魅力故だ。
「守るために変える」これはマツダの言葉だが、本当にそうだろうか。同社は否定するだろうが、初代、2代目と乗り継いだ経験を持つ筆者から言わせると、それは単にマーケティング上の言葉だろう。この4代目にあたるロードスターは、実は原点回帰である。
先代(3代目)のモデルが、大きくなって、しかも太ってしまい(?)、ユーザーからそっぽを向かれたことに対する反省から生まれていると筆者は考える。もちろんこれは否定的な意味ではなく、逆である。マツダがユーザーの真摯な声なき声を聞いたのだから。
その真摯な姿勢、クルマに対する情熱は、トヨタ<7203>をも動かしたようで、この5月には同社とマツダの業務提携が発表されている。これは通常のそれとは大きく異なるもので「クルマが持つ魅力をさらに高めていく」ことを念頭にしたものである。
要するにトヨタ側からすると、マツダのクルマ造りを学びたいということである。年間生産台数が1000万を越えるトヨタが、百数十万台のマツダに学ぶのである。もちろんマツダ側にも思惑があるのだが、本題からそれるのでここでは触れない。
「人生を楽しもう」というのが新型「ロードスター」のコンセプトだ。その言葉通り、原点回帰を果たしたこのクルマで、人生を楽しむのは確かに素敵なことだろう。(編集担当:久保田雄城)
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