夕・夜のストレスで体内時計が乱れることが明らかに―早大

2015年6月18日 16:12

印刷

ストレス負荷のタイミングと体内時計の応答の関係を示す図。朝のストレスは体内時計変化なし。昼―夕方、または夜中のストレスは体内時計を早めたり遅めたりする。寝始めごろのストレスでは、体内時計が組織によってバラバラになり、腎臓では時計が止まったように見えた。(早稲田大学の発表資料より)

ストレス負荷のタイミングと体内時計の応答の関係を示す図。朝のストレスは体内時計変化なし。昼―夕方、または夜中のストレスは体内時計を早めたり遅めたりする。寝始めごろのストレスでは、体内時計が組織によってバラバラになり、腎臓では時計が止まったように見えた。(早稲田大学の発表資料より)[写真拡大]

 早稲田大学の柴田重信教授・田原優助教らの研究チームは、ストレスが体内時計を乱すことを明らかにした。

 細胞には体内時計が存在し、その乱れは、肥満・糖尿病やがんなどの発症リスクを高めると言われている。しかし、個体レベルでストレスが体内時計に影響を与えるのかは明らかになっていなかった。

 今回の研究では、マウスが寝ている時刻に2時間拘束ストレスを与えたところ、肝臓、腎臓、唾液腺、副腎などの体内時計の時刻が早まることが分かった。

 また、ストレス負荷の時刻を変えてみたところ、朝(マウスの起き始め)には全く影響がないが、夕方では体内時計が遅れ、夜(マウスの寝始め)は体内時計が組織間でバラバラになってしまうことも明らかになった。しかし、この負荷を週3日間、5週間に渡って与え続けたところ、ストレスによる体内時計の乱れは見られなくなり、「慣れ」が体内時計のストレス応答にも存在することが示された。

 今後は、人の体内時計も同じようにストレスで大きく変動するのか、慢性的なストレスにより発症するうつ病患者の体内時計も乱れているのかなどを解明していくことが期待されている。

関連記事