JAXAなど、日食を利用して太陽光が大気中のオゾンへ与える影響を観測

2015年6月12日 22:38

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日食時のSMILESの観測の様子(宇宙航空研究開発機構の発表資料より)

日食時のSMILESの観測の様子(宇宙航空研究開発機構の発表資料より)[写真拡大]

  • 地球の大気構造と典型的なオゾン量(オゾン混合比)の高度分布(宇宙航空研究開発機構の発表資料より)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)、国立環境研究所、京都大学生存圏研究所は12日、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載された超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(SMILES)の高精度な観測データを用いて、2010年1月15日に起こった日食時のオゾン量の変化を調べたと発表した。

 これは、今井弘二研究員(国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構)と共同研究チームが行ったもので、月の影で暗くなっている地域では、明るい地域に比べて、中間圏のオゾン量が多くなっていることがわかったという。またその変化の様子は地表からの高度によって異なっていることもわかった。

 これまでの観測は、精度が悪く、太陽の明るさが変わることで、オゾン量がどのように変化するのかについての考察ができなかった。そして、大気中のオゾン量はさまざまな要因で決まっている。それらの要因の中で、この研究は日食を利用することによって、太陽光量の変化のみが大気中のオゾンに与える影響を示した重要な成果だとしている。

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