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日本初マイクログリッドによるスマートタウンが震災復興の取組みから誕生
日本初のマイクログリッドにより、分散型地域エネルギー自立都市のモデルとなる「東松島スマート防災エコタウン」[写真拡大]
日本では、豪雨や大雪、大型台風などの異常気象、地震や噴火などの災害に伴う停電の発生などが相次いでいる。これらに対し、地球温暖化防止のためのCO2排出量削減や災害に強い住まい、まちづくりが求められている。日本でも太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの利用が全国で進んでいるが、それをさらに有効に活用するためには、現在の既存の送電網だけでは実現は難しい。供給側と需要側の双方から電力の流れを制御し最適化する次世代送電網「スマートグリッド」と、既存の発電所からの電力に依存しない、小規模のエネルギー供給源と消費施設で構成するエネルギーのネットワーク「マイクログリット」の構築が不可欠となる。
スマートグリッドでは、大規模施設とマンションをつないだ三井不動産<8801>の千葉県「柏の葉スマートシティ」や、トヨタ<7203>が工業団地内での電力融通の例はあるが、戸建住宅を含めてそれぞれの敷地を超えてエネルギーの相互融通を行う取り組みはなかった。
2015年3月6日、日本で初めて、戸建住宅を含め、敷地を超えてエネルギー相互融通を行うスマートグリッドの計画が発表された。宮城県の東松島市と積水ハウス<1928>が、市内の柳の目北地区に建設中の災害公営住宅85戸(戸建住宅70戸、集合住宅15戸)と周辺の病院、公共施設等を自営の電力線で結ぶ、マイクログリッドを導入した本格的なスマートタウン「東松島スマート防災エコタウン」を開発する。
「環境未来都市」構想を掲げて、安心して暮らせる災害に強いまちづくりに取り組んでいる東松島市と、環境配慮型住宅やそれらで構成する分譲地「スマートコモンシティ」を業界に先駆けて展開してきた積水ハウスが手を結ぶ。集合住宅の屋根や集会場、調整池などに設置する太陽光パネルのほか、非常用としてバイオディーゼル発電機を設置する一方、大型の蓄電池も導入する。系統電力が停電しても、同タウン系統内の太陽光発電と蓄電池、大型のバイオディーゼル発電機を組み合わせて3日間は通常の電力供給が可能。長期の停電時にも、太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで病院や集会所などの災害活動の拠点施設への電力供給を維持して、地域の災害対応力と防災力向上につなげる。
2015年8月の入居を目指して進められる同プロジェクトは、環境省の「自立・分散型低炭素エネルギー社会構築推進事業」の補助金を受けた事業でもある。今後のエネルギーの地産地消・まちの防災力向上に向けたまちづくりモデルとなる先導的な取り組みがいよいよ始まった。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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