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岡山大、てんかん患者向け「ケトン食療法」の仕組みを解明―新治療薬の開発に期待
岡山大学の井上剛准教授・佐田渚大学院生らによる研究グループは、既存の治療薬が効かないてんかん患者にも効く「ケトン食療法」の仕組みを解明した。
てんかん患者の約3割は、既存の治療薬によるコントロールできない。しかし、治療薬が効かない難治性てんかん患者の一部に、ケトン食療法が効果的であることが知られている。
今回の研究では、ケトン食が引き起こす代謝変化が、脳の電気活動をどのように変化させるのかを調べた。その結果、脳内のグリア細胞から神経細胞へ乳酸を運ぶ代謝経路が、電気活動に重要であることを発見し、この乳酸経路上に位置する乳酸脱水素酵素を阻害することで、電気活動が抑制され、てんかんマウスの発作も抑えられることを明らかにした。
今後は、本研究が、100年近く開発に成功していないてんかんの画期的治療薬の誕生に繋がると期待されている。
なお、この内容は3月20日に「Science」に掲載された。
ケトン食療法は、抗てんかん作用を持つ食事療法の1つで、高脂肪、低炭水化物から構成される。
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