名大、ナノグラフェンを精密に合成するための触媒を開発

2015年2月18日 22:23

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グラフェンとナノグラフェン(名古屋大学などの発表資料より)

グラフェンとナノグラフェン(名古屋大学などの発表資料より)[写真拡大]

  • これまでのナノグラフェン合成法と今回のナノグラフェン合成法(名古屋大学などの発表資料より)
  • 今回の合成法でつくれるナノグラフェンの代表例(名古屋大学などの発表資料より)

 名古屋大学の伊丹健一郎教授らによる研究グループは、次世代有機エレクトロニクス材料として期待されるナノグラフェンの精密合成に不可欠な新反応・新触媒の開発に成功した。

 グラフェンは、炭素原子からなるシート状の平面物質で、シリコンの数百倍もの電子移動度を持つ。ナノメートルサイズのグラフェンは「ナノグラフェン」と呼ばれており、通常のグラフェンとは異なる磁性や電気的特性を持つため、合成するための様々な研究が世界中で行われてきた。

 今回の研究では、多環芳香族炭化水素を原料に用いて、これを鋳型にして炭素の2次元シートを一気に伸ばす新しい反応を開発した。さらに鋳型からの伸長方向を厳密に制御するために、量子化学計算による精密な触媒設計によって、カチオン性パラジウム・オルトクロラニル錯体という高い反応性と高い位置選択性を兼ね備えた触媒を開発することにも成功した。

 今後は、様々な光・電子・磁気機能をもつナノグラフェンの創製が期待されている。

 なお、この内容は2月16日に「Nature Communications」オンライン版に掲載された。

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