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阪大、レーザーを使った実験で超新星爆発の磁場を作れることを証明
「OMEGA」実験の概要を示す図。高出力レーザーを図の上下に設置された8mm間隔のプラスチックターゲットに照射することによって秒速1000kmで噴射するプラズマを作り、超新星爆発で作られる高速プラズマ流を模擬する。そこに、別のレーザーで核融合反応をおこし、生成された陽子を照射すると、対向プラズマ内に発生した磁場で曲げられ陽子が集まった所が黒く映る。この方法で強い磁場が生成されていることがわかった(大阪大学の発表資料より)[写真拡大]
大阪大学の坂和洋一准教授・高部英明教授らによる研究グループは、米国の大型レーザー「OMEGA」を使って宇宙の極限でしか実現しない秒速1千キロを越える対向する2つの超高速プラズマ流を生成し、磁場不安定性によって乱流磁場が作られて行く様子を実験で観測することに成功した。
重い恒星がその一生を終えるときにおきる超新星爆発では、秒速2千~3千キロでプラズマが吹き出し、球状の衝撃波を作る。これまでに、2つの対向する高速のプラズマ流があれば、プラズマ中に磁気不安定が起こり、強い乱流磁場が発生し、この磁場の影響で衝撃波が作られることが計算機シミュレーションで示されていた。
今回の研究では、向かい合った2枚のターゲットに「OMEGA」レーザーを照射することで対向する2つの高プラズマ流を生成し、同時に別のターゲットにレーザーを当てて核融合反応を起こした。そして、核反応で作られた高速の陽子をプラズマ中に通して、磁場の空間構造を測定した。
その結果、プラズマ流の相互作用によって時間と共に磁気不安定が成長し、構造が大きくなりながら強くなる磁場が作られていく様子が観測され、計算機シミュレーションと実験結果を比較したところ、衝撃波を作るためには「OMEGA」レーザーではエネルギーが不十分であり、今後行われる世界最大のレーザー「NIF」を使った実験であれば磁場乱流が衝撃波を作ることが明らかになった。
2014年の秋に「NIF」レーザー実験が開始されており、今後、衝撃波の生成を詳しく観測することが期待されている。
なお、この内容は「Nature-Physics」に掲載された。
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