NTTコムウェア、アダルト画像などの不適切なコンテンツの自動フィルタリング開発

2015年2月11日 14:37

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NTTコムウェアが開発した画像コンテンツからアダルトなどの不適切なコンテンツを高精度に識別するシステムのトライアルサービスのイメージ(写真:同社発表資料より)

NTTコムウェアが開発した画像コンテンツからアダルトなどの不適切なコンテンツを高精度に識別するシステムのトライアルサービスのイメージ(写真:同社発表資料より)[写真拡大]

 NTTコムウェアは9日、SNSなどに投稿される画像コンテンツからアダルトなどの不適切なコンテンツを高精度に識別するシステムの開発成功と、商用化に向けたトライアルの開始を発表した。商用化に向けたトライアルは、データセクション社と共同で開始される。

 同システムは、これまで目視による監視で膨大な労力とコストがかかっていた画像の投稿監視などの業務を飛躍的に効率化できる。導入も短期間に可能で、ニーズに合わせたカスタマイズもできる手軽さと柔軟さをあわせ持つシステムである。そして、人間の感性に近い基準で柔軟に画像を判別し、また機械学習技術「Deep Learning」を活用した高い認識精度で、実用的なフィルタリングを実現する。

 不適切なコンテンツフィルタリングサービス(トライアル版)の特徴は、「対象の画像をスコアという数値で評価」、「早期に導入が可能」、および「用途にあわせたカスタマイズが可能」なことである。

 対象画像を数値で評価して判定できるので、「適切または不適切」の単純な2者択一の判定だけではなく、例えば、映画倫理委員会が映倫規定で用いる制限区分「G」、「PG12」、「R15+」、「R18+」などの段階に応じた分類ができる。

 早期導入が可能とは、一般的には機械学習で認識の精度をあげるには、大量の学習用データとシステムのパラメータチューニングが必要になり導入に時間が労力がかかる。しかし、同サービスは、独自の学習方法の採用で、少ない学習データで短期間に精度を高められる。

 また、スコアによる判定方法は、成人向けコンテンツだけでなく、ある状態の「程度」を判定するのに非常に適しており、さまざまな用途で利用できる。例えば、橋やトンネルなどの劣化・損傷具合の判定や、監視カメラの映像から不審人物の検知を行うなどにカスタマイズできる。

 今回のトライアルを通じ、本年度上期に本格サービスの提供開始を目指している。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る

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