北海道の景気判断を引き下げ、内需依存型の中小企業が収益悪化=日銀地域経済報告

2015年1月16日 13:19

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 日銀は15日の支店長会議で地域経済報告(さくらレポート)をまとめ発表した。それによると、全国9地域のうち、北海道が「公共投資の減少などで一部に弱めの動きがみられる」として、前回10月の景気判断を下方修正した。残り8地域では、景気改善度合いの基調判断に変化はないとした。また、中小企業の現状では、業種間でばらつきが広がり、内需依存型業種では収益が悪化する企業が増加している。

 日銀は各地の経済情勢を3カ月ごとに分析し、公表している。その中で、全体的な基調としては「回復している」「緩やかに回復している」と判断している。需要別項目のうち、個人消費については、消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減の影響は多くの地域で和らいでいるとされた。

 公共投資については、北海道、北陸、東海の3地域では、「高水準で推移しているものの、足もとでは減少している」とされた。東北、近畿地域では「増加している」、また、関東甲信、中国、四国、九州・沖縄の4地域では「高水準で横ばい圏内の動きとなっている」とされている。

 鉱工業生産は、北海道、北陸、東海、近畿の4地域で「高水準で増加している」「増加している」とされた。

 各地域の中小企業の収益動向は、企業規模が相対的に小さく、製品・サービスの差別化を図れていない企業を中心に、厳しい状況にあるところが少なくない、とされている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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