【木村隆のマーケット&銘柄観察】加藤製作所は新興国目向けに建設用クレーンが好調

2014年11月17日 12:34

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 加藤製作所 <6390> は想定外の増額修正が、利食い売りを誘発する流れとなっているが、業績は再増額の方向が予想されており、まだ見直し相場が終わったわけではない。利食い売り一巡後の切り返し相場が有力だ。

 同社は荷役機械、堀削機械の総合メーカー。ラフテレーンクレーンをはじめ、全油圧式パワーショベル、基礎工事用アースドリル、路面清掃車などを手掛ける。クレーン車は国内トップシェアを誇る。

 2015年3月期上期の営業利益は前年同期比94%増の40億円と、当初見込みの31億円を大きく上回る、素晴らしい決算だった。主力の建設用クレーンが国内外で伸びたことが要因。

 つれて、通期の見通しについても、従来見通しの66億円を上回り、前期比24%増の80億円へ増額した。ただ、これでいくと後半の営業利益は40億円と前年同期比8%ダウンの予想だ。四半期別の営業推移では第1四半期15億4900万円、第2四半期25億3000万円と、業績は尻上がりに好調。今期の見落としは慎重に過ぎる。

 国内は油圧ショベルが排ガス規制の強化および消費税増税前の駆け込み需要の反動を受けたが、建設用クレーンは懸念していた増税の影響は、想定より小さく引き続き好調。海外も東南アジアを中心にした新興国向けでインフラ整備用に使用される建設用クレーンの需要が増加した。一方、中国は経済成長が鈍化するなかでも、小型および中型の油圧ショベルの販売が伸びている。

 配当も期初の12円から15円に増配する意向だ。新興国向けの好調は来期以降も継続の方向にある。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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