東北大、宇宙赤外線背景放射の大きなゆらぎを観測

2014年11月8日 20:34

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波長1.1マイクロメートルの近赤外線で撮影した天空の画像から、星や銀河の影響を取り除き、「まだら模様」が目立つような画像処理を行なった宇宙からの光の空間分布パターン(東北大学の発表資料より)

波長1.1マイクロメートルの近赤外線で撮影した天空の画像から、星や銀河の影響を取り除き、「まだら模様」が目立つような画像処理を行なった宇宙からの光の空間分布パターン(東北大学の発表資料より)[写真拡大]

 東北大学などによる研究グループは、CIBER実験で、宇宙赤外線背景放射に大きな「まだら模様」の成分があることを発見した。

 CIBER実験では、近傍から遠方宇宙までの天体の光が足しあわされた宇宙赤外線背景放射をまとめて観測することで、宇宙の初期の様子を探る研究を行っている。

 今回、観測されたデータから太陽系内の影響を取り除き、観測対象である銀河系外からの放射成分を抽出したところ、宇宙赤外線背景放射に波長1.1と1.6マイクロメートルの未知の「まだら模様」のパターンが現れていることが分かった。

 この「まだら模様」は、知りうる限りの全ての銀河を考慮した予測よりも2倍以上も大きなもので、普通の星や銀河等による影響だけでは説明がつかず、宇宙には未知の赤外線光源が大量に存在することを示している。宇宙にある未知の天体の存在について新たな仮説を必要とする新発見であるといえる。

 今後は、望遠鏡の口径を3倍にして精度を上げるCIBER-2実験が計画されており、「まだら模様」の成分検出などが期待されている。

 なお、この内容は11月7日に「Science」に掲載された。

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