訪日外国人の購買客数、売上高とも過去最高を記録 9月の全国百貨店売上高

2014年10月20日 16:42

印刷

 日本百貨店協会が20日発表した9月の全国百貨店売上高は、総額で4406億円となり、前年同月比0.7%減少した。減少は6ヵ月連続だが、休日が1日少なかったことを考慮すると、実質プラスであり、消費税増税による駆け込み需要の反動は和らいでいるとされている。特に注目されるのは、訪日外国人による購買で、中国をはじめアジア諸国からの購買客数、売上高とも過去最高を記録した。

 今年9月は、中旬までの気温低下で、主力商材である秋冬物の衣料品が前年同月比0.6%増と、消費税増税後初めて前年をクリアするなど、比較的好調に推移した。ただ、下旬からは台風16号の影響などもあって伸び悩み、最終的には前年実績を僅かに下回った。これにより、1月-9月の累計売上高は、4兆4,652億円となり、前年同期比1.1%増となった。

 地区別では、8月に前年同月比プラスになった大都市(10都市)では、9月は0.2%減と前年割れしたほか、その他の地方では、1.8%減と6ヵ月連続マイナスとなった。ただ、減少幅は月を追うごとに縮小している。

 衣料品は、紳士、婦人ともに好調に推移したほか、化粧品は同3.8%増と3ヵ月連続プラスが続いている。また、4月に、増税の反動減が大きく出ていた美術・宝飾・貴金属は同2.8%減にとどまった。身の回り品や食料品は、それぞれ同1.0%減、同1.7%減となったものの、休日減少分を修正すれば前年並みの水準とされている。

 訪日外国人は、中国、台湾などの中華圏、タイ、シンガポール等のアセアン諸国からの人たちで、購買客数は同57.2%増、売上高は同58.2%増とそれぞれ大幅な増加を見せている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

関連記事