三菱マテリアル、油と水の分離が可能な世界初の「フッ素系化合物」を開発

2014年10月8日 20:22

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 三菱マテリアルの電子材料事業カンパニーと、同カンパニー所管する連子会社の三菱マテリアル電子化成は8日、油水分離が可能なフッ素系化合物を世界で初めて開発したと発表した。

 水も油も寄せ付けない「撥水撥油剤」と、水になじむ「親水剤」の両方の性質を併せ持つ「親水撥油剤」では、これまでフッ素系材料と、酸化チタンあるいはシリカを複合化した素材があったが、瞬時に十分な親水撥油性を発揮することは難しかったという。

 本製品は、各種の材料に塗布することで油汚れを防止し、除去を容易にすることができる。用途として、レンジフード、換気扇などの厨房機器や、工場の床、機械装置、鉄道や自動車の油付着部などを想定している。

 また、本製品を布製やセラミックス製のフィルターに塗布すると、水を通しながら油を通さなくなるため、油と水を分離するフィルターとしての役割を果たせるという。同社ではこのフィルターを、河川や海洋での油流出事故の復旧作業、石油の採掘現場、金属工場や食品工場の油を含む排液の分離装置などに応用することを想定している。(記事:松本 茂樹・記事一覧を見る

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