慶應大、空中に絵を描くこともできる裸眼3Dディスプレイを開発

2014年9月2日 17:24

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今回の研究が目指す「さわれる情報環境」のイメージ図(慶應義塾大学の発表資料より)

今回の研究が目指す「さわれる情報環境」のイメージ図(慶應義塾大学の発表資料より)[写真拡大]

  • HaptoMIRAGEの外観(慶應義塾大学の発表資料より)
  • 現実空間への3次元的な描画(慶應義塾大学の発表資料より)
  • 実物体への立体映像の重畳と、実物体を介した立体映像とのインタラクション

 慶應義塾大学の舘暲特別招聘教授・南澤孝太准教授らによる研究グループは、複数のユーザーが同時に裸眼で観察可能で、空中に絵を描くこともできる3Dディスプレイ「HaptoMIRAGE(ハプトミラージュ)」を開発した。

 3D映像を実現するためには、左右の目に異なる映像を届けたり、頭の位置の変化に応じて映像を変化させたりすることが求められる。これまでの3D映像は、特殊な装置が必要であり、多人数が同時に見ることも困難であった。

 今回の研究では、まずユーザーの視点位置をモーションキャプチャで計測し、頭部位置に対応した両眼視差映像を液晶ディスプレイに表示できるようにした。さらに、透明液晶ディスプレイを液晶ディスプレイとフレネルレンズとの間に配置することで、左目と右目にそれぞれ異なる映像を届けることができることを可能にした。その結果、「裸眼で多視点の3D映像」、「現実空間への3D映像の重ね合わせ」、「複数人での3D映像の共有」、「広範囲からの3D映像の観察」といった課題を克服したインタラクティブな3Dディスプレイを開発することに成功した。

 さらに、「HaptoMIRAGE」はユーザーと提示映像の間に障害物がないため、映像に直接手を伸ばして操作したり、空中に3Dコンピューターグラフィックスのスケッチを描いたりすることもできる。

 今後は、触覚提示技術と組み合わせることで3D映像にリアルな触感を実現すること、デジタルサイネージや博物館での新しい体験を提供することなどが期待されている。

 なお、「HaptoMIRAGE」は2014年9月2日~4日にパシフィコ横浜で開催されるCEDEC2014で展示公開されている。

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