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【株式評論家の視点】西尾レントールは急伸後のモミ合い良好、災害対策関連、利益上振れの可能性大
<銘柄の見所>
西尾レントール <9699> は、8月上旬までのジリ高から上放れ足となり、8月18日に5120円の上場来高値をつけ保合っている。
土砂災害対策関連として見直し余地があるほか、連続最高益更新で業績上ブレ期待が高まり、再上昇が近そうだ。
同社は、大都市をはじめ各地中核都市では再開発工事として高層ビル・マンションの建設が進む中、タワークレーンをはじめ高所作業車や揚重運搬器具、軽仮設・電材など建築設備工事用の機材を幅広くレンタルするとともに現場内での機械の運用管理までアドバイスできる体制を整え、東京、大阪、名古屋に機種別の専門商品センターを設置し、品質管理と大型需要に対応している。また、道路・土木工事向けの情報化施工をはじめ、大型機械などによる効率化や安全・環境対策機器など、他社にない商品ラインナップと対応能力で、提案型の工事や災害対策工事などの公共工事・民間土木工事をバックアップしており、今回の広島市の土砂災害発生で見直し機運が高まりそうだ。
足元の業績は、今9月期第3四半期売上高が785億1000万円(前年同期比13.3%増)、営業利益が116億9900万円(同52.9%増)、経常利益が117億8000万円(同44.5%増)、純利益が68億6400万円(同49.8%増)に着地。道路・土木関連商品については、引き続き震災地の復興工事、全国各地でのインフラ老朽化対策・防災工事、都市圏での物流網や鉄道高架化等の交通網整備、駅前再開発工事での売上が順調に推移。震災地では沿岸部での築堤・護岸工事の本格化に対応、道路除染工事では新たに路面洗浄・吸引車を導入し好評を得たほか、ICT施工では、同社研修施設「テクノヤード」を活用した研修を積極的に実施することにより、地元業者による施工を実現し、地元貢献・地元密着型営業が定着。建築・設備関連商品では生産の復調により製造業の工場設備やプラントの定期メンテナンス、全国各地でのインフラ補修・耐震補強等の維持補修工事が旺盛。また、都市圏でのインフラ整備工事に伴う周辺の工場や流通関連の民間建築も堅調。工作機械・自動車産業界関連のピン類の製造・販売も好調に推移している。
通期業績予想は、売上高993億6300万円(前期比7.7%増)、営業利益118億9900万円(同28.2%増)、経常利益117億8700万円(同21.8%増)、純利益67億7600万円(同24.9%増)と2ケタ増益で連続営業最高益更新を見込むが、第3四半期営業利益は通期計画に対する進捗率が98.3%に達しており、業績予想を大きく上ブレする可能性が高い。年間配当は期末一括30円を予定している。
株価は、2012年9月安値798円を底に、本年8月18日に上場来の高値5120円と上昇。その後、高値保ち合いとなっている。週足では13週移動平均線、9カ月移動平均線がサポートする形で、上昇トレンドを継続している。震災復旧・復興工事や全国的なインフラ老朽化による点検工事、防災・災害対策工事を中心に建設投資の増加基調に変わりなく、高い成長が続くと予想される。また、同社は環境・安全・品質およびコスト縮減などの問題解決策として、情報・通信・測量機器などを活用した、「IT施工」に取り組んでいるが、雲仙普賢岳での災害対策工事から端を発した「無人化施工通信システム」は噴火地帯や土砂崩壊現場、解体作業など危険現場で活躍しており、今回の広島市の土砂災害の発生によって、大きく需要が増加すると予想される。業績予想の上ブレ期待が下支え、高値奪回から一段高へ向かう公算が大きく、押し目買い妙味が膨らもう。(株式評論家・信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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