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京大、野生のゴリラ同士で果実を分配する行動を発見
京都大学の山極寿一教授らによる研究グループは、野生のゴリラが果実を分配している行動を観察することに成功した。[写真拡大]
京都大学の山極寿一教授らによる研究グループは、野生のゴリラが果実を分配している行動を18例観察することに成功した。
果実を食べる習慣を持つオランウータンやチンパンジーが食物を分配することは知られているが、葉や茎を食べるゴリラにはそのような行動はほとんど報告されていなかった。
今回の研究では、ガボン共和国ムカラバ公園で、野生のゴリラがTreculia africanaというフットボール大の果実を分配しているところを18例観測した。この中には、おとな同士の分配の含まれており、ゴリラのおとなが果実を分配するのは初めての発見だという。
今回の発見で、類人猿のすべてで希少で栄養価の高い食物が分配されることが判明した。また、交尾と関連して食物分配が起こったことから、ゴリラの食物分配にもチンパンジーと似たような社会的機能があることが示唆された。また、チンパンジーのように口や手から直接食物をとるのではなく、ゴリラは食物をいったん地面に置いて相手に取らすいう違いが見られた。こうした違いには両種の社会の特徴が反映されており、人類の食物をめぐる社会進化を考えるうえで大きな学術的意義があるという。
研究者メンバーは、「今回、初めてゴリラのおとな同士の食物分配を発見しました。また、交尾と関連した食物分配も観察できたことから、チンパンジーと似たような社会的機能があることも示唆されます」とコメントしている。
なお、この内容は国際学術誌「PRIMATES」に掲載された。
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