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研究者、4割以上が「任期あり」、正規のポスト増えず
大学院の博士課程を出ても正規の大学教員になれない“高学歴ワーキングプア”が話題になって久しい。火付け役は、07年に出版された『高学歴ワーキングプア――「フリーター生産工場」としての大学院』(水月昭道著、光文社新書)。「コンビニのバイトと非常勤講師をかけもちし、月収15万円」といった「フリーター博士」の実態が明らかとなり、社会に衝撃を与えた。
文部科学省の「平成25年度 学校基本調査」によると、博士課程を終えた人のうち、大学などの研究機関以外も含めて就職した人は66.8%。就職、進学もしていない人が18.5%、「不詳・死亡」が7%などとなっている。就職率は前年より改善したが、それでも就職できた人のうち正規雇用は52.5%にすぎない。
正規雇用の割合が低いのはもちろん、「民間企業が博士課程修了者を雇おうとしないから」という理由だけではない。大学教員を目指す若者は「ポスドク」となり、非常勤講師や任期付きの研究員として研究を続けるケースが多いのだ。
大学側は、こうした若者の「雇用の受け皿」をたくさん用意している。その多くは「任期付き」だ。「助教」「講師」「助手」といった、一見「このまま昇格すれば准教授か」と思われそうな肩書きでも、1~3年の任期付きの場合が多いのである。
文部科学省が三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託して実施した「研究者の交流に関する調査」によると、大学などに籍を置く研究者のうち「任期あり」は37.4%、「ポスドク・特別研究員等」が7.3%となっている。今や大学等に在籍する研究者のうち、半数近くは不安定な身分だ。「講師」の73.1%、「助手」の70.2%、「助教」の57.5%が「任期あり」である。任期付きの研究者は、期間内に次の職を見つけられなければポストを追われることになる。
政府は今年に入ってようやく、こうした不安定雇用の博士たちの支援策に乗り出したが、遅きに失すると言わざるをえない。(編集担当:北条かや)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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