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「ワーク・ライフ・バランス」働く女性に広まらず?「知らない」が大多数
07年に内閣府が「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を策定して以来、徐々にではあるが認知度が高まってきた。[写真拡大]
ここ数年で、急速に広まった「ワーク・ライフ・バランス」。07年に内閣府が「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を策定して以来、徐々にではあるが認知度が高まってきた。最近では「女性の活用」を進める目的で使われることも多い。が、多くの働く女性にとって、この言葉は単なるスローガン以上の意味をもたないようだ。
モバイルリサーチのモッピーラボが今年5月、全国の20~59歳の働く女性793名に「ワーク・ライフ・バランスという言葉を知っているか」と尋ねたところ、「知らない」が68.2%と大多数を占めた。政府の力の入れようを考えると、認知度はかなり低い。
言葉の意味を説明した上で、「現在の職場でワーク・ライフ・バランスは取れていますか」と尋ねたところ、 1位は「どちらでもない」(44.3%)。次いで「はい」と「いいえ」がそれぞれ約25%ずつとなった。直感的に「仕事とプライベートのバランスが取れている」と断言できる女性はかなり少ない。
雇用形態別でみると、最もワーク・ライフ・バランスが取れているのは「契約社員」(38.1%)。次いで正社員、派遣社員、アルバイト・パートの順だが、いずれも「バランスが取れている」は3割未満で大差はない。
大多数の女性は「ワーク・ライフ・バランス」という言葉を知らないものの、私生活をなるべく優先させたいと考えている。「仕事とプライベートのどちらを優先させるか、またはワーク・ライフ・バランス派か」という問には、「ワーク・ライフ・バランス派」が52.1%、「プライベート派」が43%。両者を合わせると、全体の95%は「ゆるキャリ派」といえるだろう。「仕事」を選んだキャリアウーマン派は4.9%しかいない。
圧倒的多数の「プライベートを大切にしたい」女性たちと、少数の「仕事を優先したい」女性たち。企業がもし「女性の活用」を進めようとするのであれば、それぞれの価値観をきちんと知り、ニーズに合った働き方を提供する必要があるといえそうだ。(編集担当:北条かや)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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