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東大、体内時計の調整を司る物質を明らかに
2つの体内時計の同調によって規則正しいリズムが保たれることを示した図[写真拡大]
東京大学の深田吉孝教授らは、カルシウムイオンなどによって活性化されるタンパク質リン酸化酵素(CaMKII)が、脳で体内時計を調整するのに重要な役割を果たしていることを明らかにした。
哺乳類は、脳の視床下部・視交叉上核に存在する体内時計によって、約24時間周期の行動をしているが、これまでそのメカニズムは解明されていなかった。
今回の研究では、CaMKIIが不足したマウスを観察し続けたところ、一日の行動時間が徐々に延長し、重篤なリズム障害を引き起こすことが確認された。また、CaMKIIの働きが阻害されることで視交叉上核の神経細胞が正常に働くなり、活動時間を一定に保てなくなることを明らかにした。この結果は、朝に活性レベルが高くなり、夜には低くなるCaMKIIが、体内時計の調整を司っていることを示している。
本研究成果は、睡眠障害やアルツハイマー型認知症などの疾患解明に繋がると期待されている。
なお、この内容は5月15日の「Genes & Development」に掲載された。
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