東北大など、地球内部から飛来する反ニュートリノの方向を測定する技術を開発

2014年5月11日 18:53

印刷

地球ニュートリノの方向検知性能の比較。地球ニュートリノはcosθ=1の方向から入射している。液体シンチレーターにリシウムを添加することで到来方向感度が大きく向上する。

地球ニュートリノの方向検知性能の比較。地球ニュートリノはcosθ=1の方向から入射している。液体シンチレーターにリシウムを添加することで到来方向感度が大きく向上する。[写真拡大]

 東北大学の渡辺寛子助教、東京大学の田中宏幸教授らは、地球内部から飛来する反ニュートリノの方向を検知できる技術を開発した。

 地球内部にある放射性物質からは、反ニュートリノ(地球ニュートリノ)が発生しており、既に東北大学が主導する研究グループが観測している。しかし、これまでの検出方法では地球ニュートリノが飛んで来る方向を検知することはできなかった。

 今回、渡辺助教らは、地球ニュートリノを検出する液体シンチレータにリチウムを添加し、その飛跡を高い精度で決定することに成功した。さらに、宇宙から飛来するミューオンという粒子によって地球のレントゲン画像を作り出す解析方法も取り入れることで、地球ニュートリノを測定すれば地球内部の様子が分かることを、飛騨山脈の地下実験によって実証した。

 この研究成果によって、地球内部の解明がさらに進むことが期待される。

 なお、この内容は4月28日の『Scientific Reports』電子版に掲載された。

関連記事