【編集長の視点】JINは業績下方修正・減配と「花粉Cut」が綱引きし上値トライの逆張り妙味も

2014年3月14日 10:46

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<来週の注目銘柄>

  ジェイアイエヌ(JIN) <3046> は、今年2月に今8月期業績の下方修正と減配を発表し、ストップ安を交えて東証1部上場来安値2281円まで突っ込み、きょう14日も、4日続落し25日移動平均線でもみ合う底値圏推移を続けている。ただ、気温の上昇とともに全国的に花粉の飛散量が増加し、これに伴う同社の花粉症対策眼鏡「JIN 花粉 Cut」の販売急増期待と綱引きし25日線を上抜き上値にトライする展開も有力視される。信用取組倍率が、0.83倍と拮抗して逆日歩がついており、まず売り方の買い戻しが先行する需給相場色を濃くしよう。

■業績下方修正・大幅減益転換・減配はストップ安で織り込む

  「花粉Cut」は、眼鏡と顔の密着度を高めて花粉のカット率を昨年モデルより5ポイント高めて98%として今年1月16日に発売、テレビCMなどを積極的に行い販売促進策を展開している。同社は、2011年9月に発売したPC(パソコン)ディスプレイなどから発せられるブルーライトを低減する効果のある「JINS PC」が、大ヒットして業績、株価とも大化け、新興市場の眼鏡チェーン店が一躍、全国区的な人気を強め、東証第1部に上場されるとともに、株価も上場来高値5310円をつけた。

  ただ今8月期業績は、この「JINS PC」ブームの反動減で既存店・全店売上高とも前年同月比マイナスが続いたことから、今年2月に下方修正され、このうち純利益は、期初予想の39億円が12億3000万円(前期比64%減)へ引き下げられ、前期の過去最高から大幅減益転換する。つれて年間配当も、期初予想の32円から10円(前期は東証1部上場記念配当10円を含め40円)へ大幅減配された。

  「花粉Cut」が、「JINS PC」に代わって再度、同社の業績、株価を押し上げるかどうかは、もちろん、今年の花粉シーズンの花粉飛散量状況、「花粉Cut」の売れ行き、月次売上高次第となる。今シ-ズンの花粉飛散量は、例えば東京都では、例年より21%減と減少が予測されているが、今年の寒波・大雪などで飛散時期が後ずれ、気温が上昇する3月中旬以降に集中するとの見方もあり目を離せない。同社の今年2月度の売上高は、「花粉Cut」は順調に推移したものの、同社店舗展開の中心となっている関東エリアで、週末に2回も大雪に見舞われて客足に響いて、連続マイナスとなっており、3月度以降の月次動向が、株価のキーポイントとなってくる。

■気温上昇・花粉飛散量・月次売上高の動向が注目ポイント

  株価は、東証1部上場とともにつけた上場来高値5310円から3090円まで調整、同安値から1部上場承認とともに実施した株式売出しの売出価格5432円を窺う動きを強め5000円大台を回復したが、業績下方修正・減配で上場来安値まで急落した。この急落場面では信用売り残が積み上がり、直近ピ-クでは97万7900株と増加して売り長となって逆日歩がつく好需給となっている。気温上昇、花粉飛散量、月次売上高の動向をウオッチしつつ、逆張りも一考余地があろう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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