欧米為替見通し:コーカサス回廊から中東・極東の地政学的リスク

2014年2月24日 17:10

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記事提供元:フィスコ


*17:10JST 欧米為替見通し:コーカサス回廊から中東・極東の地政学的リスク

本日24日の欧米市場のドル・円は、ウクライナ情勢やシリア情勢の緊迫化懸念が高まっていること、27日のイエレン第15代FRB議長の議会証言を控えて上げ渋る展開が予想される。

G-20財務相・中央銀行総裁会議では、金融政策の正常化が容認されたことで、米国連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(量的緩和縮小)は、毎回のFOMCで100億ドルずつ実施される見込みとなり、ドルの中期的な買い要因となる。

ドラギ欧州中銀総裁が「ユーロ圏の物価見通しが悪化した場合に行動する用意がある」と述べており、本日発表されるユーロ圏の1月の消費者物価指数改定値が下方修正された場合、3月の欧州中銀定例理事会での利下げ観測が高まることで、ユーロ売り要因となる。

ウクライナのヤヌコビッチ政権が崩壊し、5月25日に予定されている大統領選挙まで政治的な空白地帯がコーカサス回廊に出現すること、欧州連合(EU)による金融支援が予定されているウクライナのデフォルト(債務不履行)懸念が高まっていることも、ユーロ売り要因となる。

プーチン・ロシア大統領がウクライナへの関与を余儀なくされることで、オバマ米政権の空爆を阻止したシリア情勢が緊迫化する可能性は、ドル売り要因となる。

シリア情勢の緊迫化は、中東の地政学的リスクを高めて原油価格上昇要因となり、原油輸入に依存する日本にとっては、円売り要因となる。

極東の地政学的リスクも依然として払拭されない状況が続いており、円売り要因だが、東京株式市場の下落要因となれば、リスク回避の円買い要因となる。

【今日の欧米市場の予定】

18:00 独・2月IFO景況感指数(予想:110.5、1月:110.6)
19:00 ユーロ圏・1月消費者物価指数改定値(前年比予想:+0.7%、12月:+0.8%)
22:30 米・1月シカゴ連銀全米活動指数(予想:-0.20、12月:0.16)
24:30 米・2月ダラス連銀製造業活動指数(予想:3.4、1月:3.8)

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