欧米為替見通し:黒田日銀総裁の白いスペアタイヤ

2014年2月19日 17:14

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記事提供元:フィスコ


*17:14JST 欧米為替見通し:黒田日銀総裁の白いスペアタイヤ

本日19日の欧米市場のドル・円は、22-23日のG-20財務相・中央銀行総裁会議への警戒感から上げ渋る展開が予想される。

米国1月の住宅着工件数・住宅建設許可件数は、寒波の影響で減少が予想されており、ネガティブ・サプライズとならない限り、影響は限定的だと予想される。

2月の英中央銀行金融政策決定会合議事録と英国のILO失業率(予想:7.1%)では、失業率目標(7.0%)の変更の可能性を見極めることになる。

1月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、テーパリング(量的緩和縮小)の中断の条件、可能性を見極めることになる。

黒田日銀総裁は、「貸出増加支援」と「成長基盤強化」の強化・拡充について、「昨年4月にエンジンの馬力を大幅に上げたので、その性能を十分に生かすためにタイヤを強化した」と説明した。

この2本のタイヤは、白川前日銀総裁が残した遺産、すなわち、エンジンの馬力が上げられた黒田「金融緩和」車のトランクに入っていた白いスペアタイヤである。

スペアタイヤの装着を急遽決定した理由は、米国連邦準備理事会(FRB)によるテーパリング(量的緩和縮小)を受けた新興国市場の混乱を緩和するため、22-23日のG-20財務相・中央銀行総裁会議に向けて、ルー米財務長官から追加緩和策を打診されたのかもしれない。

【今日の欧米市場の予定】

18:30 英国中央銀行が金融政策委員会議事録公表(2月開催分)
18:30 英・1月失業率(予想:3.6%、12月:3.7%)
19:00 ユーロ圏・12月建設支出(11月:前月比-0.6%)
21:00 米・先週分MBA住宅ローン申請指数(前回:-2.0%)
22:30 米・1月住宅着工件数(予想:95万戸、12月:99.9万戸)
22:30 米・1月住宅建設許可件数(予想:97.5万戸、12月:99.1万戸)
22:30 米・1月生産者物価指数(前年比予想:+1.2%、12月:+1.1%)
02:15 ロックハート米アトランタ連銀総裁講演(経済見通し)
03:00 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(米経済と金融政策)
04:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(1月28、29日分)

フィッシャー米ダラス連銀総裁講演予定《KO》

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